「先生、コンパクトに振れって言われてから、逆に当たらなくなったんです」
レッスンで、よく聞く言葉です。
正直に言います。
それ、当然の結果なんです。
「小さく振ろう」という意識が、スイングをさらに壊しているケースがあります。今回はその理由と、本当の直し方をお伝えします。
余談ですが、これ、僕も通った道です。
研修生のころ、コーチに「もっとコンパクトに振れ」と言われ続けました。意識すればするほど、球筋がバラバラになっていった。当時は理由がわかりませんでした。
後から気づいたのは、「小さく振ろう」という意識が、体の回転まで止めていたということ。方向として、完全に逆をやっていたんです。
「コンパクトに振れ」が逆効果になるワケ
「手首を止めよう」と思うと、体の回転まで一緒に止まります。
ドアで考えてみてください。
ドアを開けるとき、蝶番(ちょうつがい)が動かないと何が起きるか。扉だけが動こうとして、ドア全体がぶっ壊れますよね。
スイングも同じです。体(蝶番)が止まったまま手首(扉)だけを動かそうとすると、動きが歪みます。
手首が「帳尻合わせ」をし始める
体が回転を止めた分、インパクトで手首だけが帳尻を合わせようとします。
これが出てくるミスです。
ダフリ、引っ掛け、プッシュ、シャンク。一気に種類が増えます。
「コンパクトにしたら、かえってミスが増えた」という経験がある人は、ここが原因です。症状を抑えようとして、根っこを深くしてしまっていた。
オーバースイングの本当の正体
「左肘が曲がっているから、オーバースイングになる」。そう思っていませんか?
違います。
左肘の曲がりは「症状」であって「原因」じゃない。
体が止まると、手首は上に行くしかない
タオルを絞る動作を思い浮かべてください。
両端を持って、体の中心を回して絞っていく。この「中心から動かす」感覚が、バックスイングに近いんです。
逆に、体の中心が止まったまま両端だけを動かそうとすると、タオルがどこかで暴れますよね。
それが手首の行き場です。体が回らないと、手首は頭の上に逃げていく。これがオーバースイングの正体です。
だから「手首を止めよう」は、根本的にズレています。解決するなら「体を深く回す」こと。方向が真逆なんです。
「深く回す」ための3ステップ
ここからが、本当に変わるかどうかの分かれ目です。
「体を深く回す」と言われても、具体的にどう動けばいいか。3つのポイントを確認してください。
①右おしりを後ろに引く
始動の合言葉は「おしりを引く」です。
「腰を回す」ではなく、右おしりを真後ろに引くイメージ。これをやると、股関節が自然に動いて、体の軸が安定したまま回転できます。
(関連:【秘訣はこの動き】ゴルフスイングの正しい下半身の使い方/さらに段階を分けて練習したい方は下半身を5ステップで身につける記事もあわせて)
②左肩を右胸の上まで運ぶ
「左肩をアゴの下まで」という表現はよく聞きます。
もう少し具体的に言うと、「左肩を右胸の上に乗せる」感覚です。この意識を持つと、体が横ではなく奥に回り始めます。手首ではなく肩甲帯から動かす感覚がつかめます。
③胸がトップを向くまで回る
確認方法はシンプルです。
トップの瞬間に、胸が飛球線後方(目標とは反対の方向)を向いているか。
向いていれば、体はちゃんと回転している。向いていなければ、手首だけが上がっているオーバースイングの状態です。
(関連:テイクバック時の手首のコツ/手首の動かし方を3ステップで体系的に身につけたい方は手首3ステップの記事もあわせて)
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Nさんが1ヶ月でベスト89を出した話
Nさん(48歳)は、5年間「コンパクトに振れ」と言われ続けていました。
「でも直らないし、スコアも伸びない」という状態で来られました。
最初のレッスンで一番驚かれたのは、僕が「もうコンパクトにしなくていいです」と言ったことでした。
「え?それでいいんですか?」
「はい。代わりに、右おしりを後ろに引いてください。それだけです」
1ヶ月後、ベスト89が出ました。
「小さく振ろうとするのをやめただけで、こんなに変わるとは思いませんでした」とNさんは話していました。
変わったのは意識だけです。スイングをゼロから作り直したわけじゃない。
よくある疑問
「深く回すと、余計大きくなりませんか?」
素晴らしい疑問です。そこまで考えられているなら、かなり理解できています。
「深く回す」は「大きく振る」ではありません。力で振り回すのではなく、体の回転方向を正しく使うことです。むしろトップが安定して、球筋がまとまってきます。
「左肘はどうすればいいですか?」
意識しなくて大丈夫です。
体がしっかり回転できれば、左肘の曲がりは自然と解消されます。肘そのものを意識すると、かえって動きが固まる。症状より、原因のほうを見てください。
まとめ:「深く回す」が合言葉
「コンパクトに振れ」は間違いじゃない。でも「手首を止める」という解釈をすると、逆効果になります。
オーバースイングの本当の原因は「体が回っていないこと」。解決策は「体を深く回すこと」です。方向が真逆なんです。
①右おしりを後ろに引く
②左肩を右胸の上へ
③胸がトップを向くまで回る
この3つだけ、次の練習で試してみてください。
それでも「試したけど変わらない」という場合は、原因が別の場所にあるかもしれません。スイングの問題は一人ひとり違います。クラブ1本1本の動かし方を根本から見直したい方は、まず動画を見てみてください。
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コメント
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[…] 「それなら振り幅を小さくすれば」と考える方もいます。でも、小さくしようとするほど体まで止まってしまうケースが多い。体の回転を止めるコンパクト意識が逆効果になる話はこちら。 […]
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[…] バックスイングの考え方については、こちらの記事も参考になります。 […]