ドライバーが右にすっぽ抜ける。インパクトで詰まって、フォローが窮屈になる。この2つが揃っているスイングを見ると、ほとんどの場合「振り遅れ」が起きています。
そして振り遅れの原因は、意外なところにあります。頑張って「ため」を作っていることです。
振り遅れの正体は「ため」の作りすぎ
振り遅れと聞くと、体の回転にクラブがついてこない現象を想像すると思います。現象としてはその通りです。ただ、なぜついてこないのか。
手首の角度をギリギリまでほどかずに我慢する。いわゆる「ため」を意図的に作ろうとして、リリースが間に合わなくなっている方が実はとても多いんです。
リリースが間に合わなければ、フェースは開いたままボールに届きます。だから右に出ます。インパクトで詰まる感じがするのも、フォローが窮屈なのも、根っこは同じです。

▲ 手首の角度を残したまま下ろしてきた形。ここまで我慢すると、通常のスピードでは戻せない(動画0:21付近)
ためを深く作っても、ゆっくり振れば手先で帳尻を合わせられます。ただそれは、ゆっくりだからできる芸当です。通常のスピードで振ったら、この動きは絶対にできません。
ためを作る練習を重ねてきた方ほど、ここで損をしています。熱心さの方向は合っているのに、順番が逆になっているだけです。
オンラインレッスンで添削をしていても、ためを作りにいって振り遅れている方は本当に多いです。真面目に練習してきた方ほど、この形がきれいに固まってしまっています。
タオルを振ると「加速させるリリース」の感覚が分かる
処方箋はシンプルです。ためを我慢するのではなく、クラブヘッドを加速させていくリリースの感覚を掴むこと。ここで使うのがタオルです。
タオルのような柔らかいものは、正しいタイミングでリリースしないと先端が走りません。鞭と同じで、根元側が先に動くから先端が加速します。ごまかしが効かない分、感覚の確認にちょうどいい道具です。
腕の力で振り回すと、タオルはただ暴れます。体の回転で先端が引っ張られたときだけ、最後にきれいに走ってくれます。

▲ タオルの先端だけがブレるくらい、リリースで一気に加速させる(動画0:40付近)
手順は3つです。
- タオルを振り上げる
- 体の回転で、タオルの先端を引っ張るように下ろし始める
- 先端が引っ張られ始めたら、手首の動きですぐに加速させる
体が先、手首はその後。先端が「引っ張られてから走る」感覚が出てきたら、正しいタイミングでリリースできています。
クラブに持ち替えても、同じ順番で振る
感覚が掴めたら、クラブで同じことをします。バックスイングをして、体で引っ張り下ろし始めたら、そこから手首の角度をほどいて一気に加速させていく。

▲ 体で引っ張り下ろしたら、ここから手首の角度をほどいて加速(動画1:04付近)
体の動きと手首の動きが連動してリリースできるようになると、フェースが開いて右に飛ぶことも、インパクトで詰まることもなくなっていきます。
ためは「作る」ものではなく、体が先に動いた結果として「できる」もの。ここが入れ替わると、スイングは一気にシンプルになります。
僕がいつもお伝えしている「切り返しは自分でやらない」という話も、中身はこれと同じです。体で引っ張り下ろせば、ためは勝手にできます。自分の仕事は、そのあとのリリースで加速させることだけです。
まとめ
- 振り遅れの原因は、ためをギリギリまで我慢してリリースが間に合わないこと
- タオルで「先端が引っ張られてから走る」感覚を確認する
- クラブでも、体が先・手首が後の順番で加速させる
88秒の元動画はこちらです。
スライスは動き出しにも原因が潜んでいます。あわせてスライスは「動き出し」で決まるも読んでみてください。クラブの使い方を全体から整理したい方はクラブの使い方のまとめ記事へ。
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