フェースを合わせに行っても、まだ右に左に散るあなたへ。
球がどこへ飛ぶかは、たった3つで決まります。クラブの通り道、フェースの面の向き、当たる場所。この3つです。
そして、直す場所があります。フェースを合わせに行くのではなく、軌道を整える。フェースの向きと打点は、軌道を整えた結果として整ってきます。
こんにちは、オンラインゴルフコーチの鳥居俊佑です。これまで3000名以上の方をレッスンしてきました。
方向性に悩む方の多くは、フェースの向きを何とかしようとします。右に飛ぶから閉じる。左に行くから開く。気持ちはよく分かります。ところが、それをやるほど球は散る。この記事では、なぜそうなるのかを3つの要素で整理して、最後に「どこを直すか」と「そのための練習2つ」までお伝えします。
球の方向は、たった3つで決まる

まず、それぞれが何を決めているかを分けておきます。ここが分かれていないと、直す場所を間違えます。
①フェースの向き=出球(打ち出し)の方向
インパクトでフェースがどこを向いているか。これが出球の方向を決めます。打ち出し方向の約8割は、フェースの向きで決まります。右に打ち出すならフェースが右を向いている。左に打ち出すなら左を向いている。それくらい素直です。
②クラブの軌道=曲がりの向き
ヘッドがどの向きに動いているか。これが曲がりの向きを決めます。ただし軌道だけで決まるのではなく、フェースの向きとの差で決まります。この差の話は、次の章で図にします。
③打点=曲がりの増幅
フェースのどこに当たったか。芯を外すと、当たった衝撃でフェースが回って回転が増えます。強く外すと出球まで変わる。だから打点は「曲がりを増やす要素」と考えると分かりやすい。
3つが揃ったときだけ、球は真っ直ぐ飛びます。オンラインレッスンでもよく言うのですが、クラブパス0度・フェース0度・芯、この3つが同時に揃わないと真っ直ぐにはなりません。逆に言えば、どれか1つがズレただけで曲がります。

図にすると、これがどれだけ難しいかが見えます。合う幅は3つとも狭い。合う・ズレるの組み合わせは8通りあって、真っ直ぐになるのは3つとも合った1通りだけ。残りの7通りは、どこかで曲がるか散ります。この3つを別々に合わせに行くと、練習が終わらない理由がここにあります。
組み合わせで、球はこう変わる
3つは別々に動いているようで、つながっています。組み合わせを3つ見ておくと、自分の球筋が読めるようになります。
フェース×軌道:出球はフェース、曲がりは差

出球はフェースの向きで決まる。曲がりは、フェースの向きと軌道の差で決まる。フェースが軌道より開いていれば右へ曲がる(フェード、強ければスライス)。閉じていれば左へ曲がる(ドロー、強ければフック)。いわゆるフェース・トゥ・パスの考え方です。
だから球筋は「出球」と「曲がり」を分けて見ます。左に出て右へ曲がるなら、軌道がアウトサイドイン。中央から右に出て、そのまま右へ曲がるなら、フェースが開いている。真っ直ぐ左に飛ぶなら、左に振っているだけ。打ち出し3通り×曲がり3通りで、球筋は9つに整理できます。
軌道×打点:軌道がズレると、打点が散る

ここが今日いちばん伝えたいところです。軌道がズレると、フェースのどこに当たるかまで散ります。しかも「アウトサイドインならここ、インサイドアウトならここ」と一対一では決まりません。
外から入って根元(ヒール)に当たる方は多い。ドライバーのネック当たりは典型で、手元が先にボール方向へ出て、シャフトが立ち、クラブが外から入ってくる。この流れはドライバーでネックに当たる原因の記事で書きました。一方で、インに引きすぎて先っぽに当たる方もいます。
インから入る方も同じです。根元に当たるパターンもあれば、先っぽに当たるパターンもある。オンラインレッスンの受講生で、ミスがトゥとヒールにバラバラに出て、ご本人も原因が分からない方がいました。動画で見ると、バックスイングで手とヘッドが体に近づきすぎていた。そのまま届くと先っぽに当たる。届かせようとして腕を伸ばすと、今度は根元に当たる。原因はひとつなのに、出方は2つでした。
だから、どちらの軌道であっても、インパクトゾーンで「ある程度まっすぐ」な軌道が要ります。ここが崩れていると、フェースを合わせても打点が合いません。
打点×フェース:トゥは右へ、根元は左へ

最後に打点です。芯を外すと、当たった衝撃でフェースが回ります。トゥ寄り(先っぽ)に当たると、フェースが開く方向に回りながら、球にはフックの回転がかかりやすい。極端に先に当たると、衝撃でフェースが開いて右に飛んでいきます。
ヒール寄り(根元)は逆です。スライスの回転がかかりやすく、極端に根元に当たるとフェースが閉じて左へ低く飛ぶ。アイアンで根元に強く当たれば、シャンクです。回転と出球が逆に見えるのは、衝撃でフェースが回るから。だから打点は「曲がりの増幅」と考えます。
別々に直さない。触るのは軌道ひとつ
ここからが、方向性が変わるかどうかの分かれ目です。
3つの要素を知ると、「フェースを直して、軌道を直して、打点を直そう」となりがちです。僕はそれをおすすめしません。別々に直そうとするほど、直る場所が増えていくからです。片方を直すと、もう片方が壊れる。この繰り返しに入った方を、オンラインレッスンでたくさん見てきました。

腕でフェースを合わせに行くと、日替わりになる
右に飛ぶからフェースを閉じる。この動きを腕でやると、閉じるタイミングが毎回変わります。今日は合った、明日は合わない。方向性が日替わりになる方は、たいていこれです。フェースの向きは大事ですが、それは「結果」の側の話。ドライバーが右に曲がる本当の原因の記事にも書きましたが、原因はもっと手前にあります。
軌道を整えると、打点とフェースは結果として整う

だから、触るのは軌道ひとつです。軌道を整えると、フェースのどこで当たるかも、フェースの向きも、ひとつの動きの中で一緒に整ってきます。3つを別々に考えるのではなく、一気にコントロールする。その入口が軌道です。
シャンクの記事でも同じ順番で書きました。フェースを直そうとせず、軌道を直す。この順番だけ間違えなければ、シャンクは撲滅できる。あの話は、方向性全体にそのまま当てはまります。オンラインレッスンで僕がまず見るのも軌道のほうで、そこを整える練習を先にすると、フェースの向きも自然に揃ってきます。
ここで一つ注意があります。軌道は腕で作るものではありません。体の回転と手首の柔らかさの結果として、勝手にできるものです。「もっとインから」「もっと外から」と腕で操作した軌道は、手を離した瞬間に消えます。手元は体の回転に沿って左へ振り抜く。これだけです。
まっすぐは、点じゃなく線

「インパクトの瞬間だけ真っすぐ当てたほうが、チャンスが長いのでは?」と受講生に聞かれたことがあります。気持ちは分かります。でも、その瞬間だけ合わせようとする打ち方は、点でまっすぐを作る発想です。インパクトが窮屈になるし、ヘッドスピードは出ない。しなりも生まれません。
僕のイメージは、ヘッドで真っすぐな線を引くことです。線を引いていく方向さえある程度合っていれば、そんなにブレません。インパクトゾーンに、ある程度まっすぐな区間を作る。それが「軌道を整える」の中身です。
そのための練習は2つだけ
やることは2つです。タオルでイメージを覚えて、クラブでも同じになるためのドリルを1つやる。それだけです。
先にやることがある方もいます。グリップの圧力が強い方は、まず握力の20%くらいまで緩めるところから。アドレスが崩れている方は、先に構え。体が回らず腕だけで振っている方は、軌道より先に体の回転で振ることから。この3つが崩れたままだと、下の練習は効きにくくなります。
①タオルでイメージを覚える
タオルを振ると、しなって戻ってくる勢いが分かります。自分で振り回そうとした瞬間に、先端の勢いは消える。戻ってくるのを待って振ると、先端が勝手に走る。その先端をどの方向へ出していくか。ここを覚えます。
ただ振っているだけだと、先端がまっすぐ出ているのか自分の方に戻ってきているのか、分かりにくい。そこで、そのまま投げます。投げると、出て行った方向がそのまま床に見えます。揺れている勢いのついてくる方向、つまり先端の出ていく方向がターゲット方向になっていれば、手を離すだけで真っすぐ飛びます。小さい振り幅でいいので、まずここからです。
タオルを投げるドリルの動きは、こちらのショート動画で見られます。

②クラブでも同じになるための4ボールドリル

タオルで線が引けたら、クラブでも同じになるようにします。使うのは4ボールドリルです。

打つボールの周りに、手前側に2つ、奥側に2つ、ボールを置きます。真ん中のボールを打つつもりで構えて、周りの4つに当たらないように振り抜く。ヘッドがその間を通れば、線が引けている証拠です。
よくある間違いは2つ。手で合わせにいって窮屈になること。これは体の回転で振り抜けば消えます。もう一つは、インから大きく入れすぎて外のボールに当たること。これは「真ん中を打つ」意識に戻すだけでいい。極端な軌道を作りにいかないことです。
9番アイアンから始めて、小さい振り幅からフルスイングへ。10球中10球、安定して打ち抜けたら合格。そこからクラブを長くしていき、5番アイアンでも10球中10球を目指します。ここまで来ると、軌道の安定はかなり高いレベルです。他のドリルとの組み合わせはゴルフクラブのトリセツ【練習ドリル大全】にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 打ち出しの8割がフェースなら、フェースを先に直したほうが早いのでは?
出球への影響が大きいのはその通りです。ただ、フェースの向きは腕でその瞬間に作れるものではなく、軌道と体の動きの結果として決まります。結果だけを合わせに行くと日替わりになる。軌道が整うと、フェースは付いてきます。入口はこちらです。
Q2. インサイドアウトに振れば捕まりますか?
振りすぎると別のミスが出ます。クラブが必要以上にインサイドに落ちると、右へのプッシュアウト。それを嫌がって手を返すと、今度は左への強いフック。オンラインレッスンでも、インから入れようとするとシャンクが出て、シャンクを嫌がるとまた外から入る、という往復に入った方がいました。狙うのは「インから」ではなく、インパクトゾーンでまっすぐです。
Q3. トゥに当たったのに右に飛びました。フックじゃないのですか?
極端に先に当たると、衝撃でフェースが開きます。フックの回転はかかっていても、出球が右に行きすぎて戻ってこない。芯に近いトゥ寄りならフック気味、極端な先っぽなら右へ、と分けて見ると納得しやすいと思います。
Q4. 4ボールドリルで、周りのボールに当たってしまいます
手で合わせにいっているか、インから大きく入れすぎているかのどちらかがほとんどです。振り幅を小さくして、体の回転で真ん中を打つことだけに戻すところから始めます。当たらなくなってから、少しずつ振り幅を大きくしていけば大丈夫です。
まとめ|バラバラに直すほど、直る場所は増える

- 球の方向は、フェースの向き・軌道・打点の3つで決まる
- 出球はフェース、曲がりはフェースと軌道の差、打点は曲がりの増幅
- 軌道がズレると打点も散る。外からでもインからでも、根元にも先っぽにも当たる
- 別々に直さない。触るのは軌道ひとつ。インパクトゾーンで線を引く
- 練習はタオル→4ボールドリルの2つ
バラバラに直そうとするほど、直る場所は増えていきます。ズレの出どころが分かれば、練習で触る場所はかなり絞れる。そして軌道が整ってくると、方向だけでなく飛距離も揃ってきます。ラウンドで「今日はどっちに曲がるんだろう」と構えなくなる。ゴルフは上手くなるほど楽しくなる、と本気で思える場所です。
ここまで読んで「自分のズレは、軌道なのか、フェースなのか、打点なのか。どこから手をつければいいか、直接相談したい」と思った方へ。
僕のオンラインレッスンは、いきなりレッスンから始めるのではなく、まずZoomでの個別面談から始めます。面談では、いまの球筋や練習の状況、目指したいところを伺ったうえで、軌道・フェース・打点のどこから整理していくのがよいか、僕がどう進めていくかをお話しします。公式LINEに登録いただくと、面談のご案内を順番にお送りします。
ブログでは原則論をお伝えしていますが、実際のスイングは1人ひとり違います。ズレの出どころも違う。だから、面談でいまの状況を伺ってから、進め方を決めます。登録後、面談のご案内を順番にお送りしますので、少しお待ちください。


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