もっと飛ばしたい。そう思ったとき、たいていの人が最初にやることは決まっています。強く握って、力いっぱい振る。
その気持ちはよく分かります。ただ、ヘッドスピードは力の量では上がりません。
力いっぱい振るほど、ヘッドスピードは上がらなくなる
力を込めて振ると、体には確かに力感が出ます。振った本人の感覚としては「速く振れた」となる。
ところが、実際に起きているのはこういうことです。クラブの軌道とフェースの向きが、毎回バラバラになる。

▲ 力を込めるほど、フェース面の向きは毎回変わってしまう(動画0:14付近)
飛んだとしても、方向性が安定しません。ナイスショットとOBが交互に出るスイングになります。それは飛距離が伸びたのではなく、たまたま当たった1発が出ただけです。
ここで大事なのは、力を入れること自体が悪ではないということ。問題は、力を入れる場所と順番です。腕に力を込めると、クラブは腕の動きに縛られます。縛られたクラブは、自分の重さで走ることができません。
かといって「力を抜きましょう」で終わる話でもない
「力むな」と言われて、次に多いのが脱力しすぎるパターンです。ふにゃふにゃに振って、今度はまったく飛ばない。
僕がお伝えしたいのは、その中間ではありません。クラブを加速させる方法を覚えることです。
ヘッドスピードは、自分が速く動いた結果ではなく、クラブが速く動いた結果です。だから、クラブがどう動きたがっているかに合わせてあげれば、力の量とは関係なくヘッドは走ります。
一生懸命振っているのにスピードが出ない。振ろうとすると曲がる。そういう方は、力が足りないのではありません。クラブの動きと自分の動きが、ケンカしているだけです。
足踏みで、クラブの動きに自分を合わせる
では、どうやってクラブの動きに合わせるのか。ここで足踏みを使います。
ブランコを思い浮かべてください。ブランコは、力いっぱい押しても大きく揺れません。戻ってくるタイミングに合わせて軽く押すから、どんどん振れ幅が大きくなります。クラブもこれと同じです。
やり方は3段階あります。
①クラブを右手でつまんで、前後に揺らす
クラブを右手でつまむように持って、前後に揺らします。このとき、クラブが降りてくる動きに合わせて足を動かす。

▲ つまむように持つから、力では動かせない。足の動きと合ったときだけ揺れが大きくなる(動画0:59付近)
タイミングが合ってくると、揺れが徐々に大きくなって、最終的にはクラブが1回転してきます。つまんで持っているので、腕の力では回せません。回るのは、動きが合った証拠です。
②クラブを正面で持って、左右に足踏みしながら揺らす
次は、クラブを体の正面で持って、左右の足踏みに合わせて揺らします。これもタイミングが合ってくると、最終的には1回転してきます。
③通常のグリップで、足の動きに合わせて振る
最後は、いつも通りにクラブを持ちます。同じように左右に揺らして振っていく。このときも、足の動きに合わせて振ることだけを考えます。

▲ 振り幅が大きくなっても、主役は足。腕はクラブについていくだけ(動画1:22付近)
ここまでできたら、同じイメージでボールを打ちます。感覚が残っているうちに打つのがコツです。
なお、この「揺らす」は体を横にずらすことではありません。足踏みはあくまでタイミングを取るためのもので、体ごと左右に流れてしまうと、今度は当たらなくなります。
クラブに仕事をしてもらう
クラブの動きに合わせてスイングできるようになると、ゴルフはあっけないほど簡単になります。
僕もゴルフを始めた20歳の頃は、飛ばしたい一心で力を込めていました。ゴルフ歴17年の今、はっきり言えるのは、あの頃より力は使っていないのに、球は遠くに飛んでいるということです。変わったのは筋力ではなく、クラブへの仕事の任せ方でした。
握る強さそのものを見直したい方は、力みとグリップの記事もあわせてどうぞ。体の使い方から整理したい方は脇腹・体幹主導の3ステップが近道です。クラブごとの練習ドリルはゴルフクラブのトリセツ【練習ドリル大全】にまとめています。
まとめ
- 力を込めるほど、軌道とフェースの向きはバラバラになる
- 脱力ではなく、クラブを加速させる方法を覚える
- 足踏みでクラブの動きに合わせる。3段階で振り幅を育てる
元動画(103秒)はこちらです。
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