あなたのポテンシャルを測る
練習場の計測器で数字を見せてもらうと、ヘッドスピードに対して、ボール初速が思ったより出ていない方がよくいらっしゃいます。
同じヘッドスピードでも、当たり方で飛距離は変わります。
この記事の計算機に、今のヘッドスピードとミート率を入れてみてください。打ち出し角とスピン量が目安に合ったとき、今のままでどこまで届くか。その飛距離(飛距離ポテンシャル)が出ます。
その数字そのものを伸ばすのは、芯で当たること(ミート率)と、ヘッドスピードの2つです。ヘッドスピードを上げるより先に、芯で当たる球を増やす。これが、多くの方にとって飛距離を伸ばす近道です。
同じヘッドスピードでも
当たり方で飛距離は伸びる
こんにちは、オンラインゴルフコーチの鳥居俊佑です。
これまで3,000名以上の方をレッスンしてきました。この記事では、次の順番でお伝えします。
- 今のヘッドスピードで届く飛距離(飛距離ポテンシャル)
- ヘッドスピードに合う打ち出し角とスピン量の目安
- 目安からずれると、何ヤード落ちるか
- 届く飛距離そのものを伸ばす順番

ドライバーの飛距離ポテンシャルを計算する
飛距離ポテンシャルは、今のヘッドスピードとミート率のまま、打ち出し角とスピン量が目安に合ったときに届く飛距離(トータル)のことです。「合う」打ち出し角とスピン量は、そのヘッドスピードで飛ばしている人の数字の目安です。
使い方は3つです。
- ヘッドスピードとミート率を、自分の数字に合わせます。ヘッドスピードは、計測器のある練習場の打席や、ゴルフショップの試打で測れます。分からなければ、まずは最初の40m/sのまま、数字の動き方を試してみてください。ミート率が分からなければ、最初の1.42(TrackMan が測ったアマチュア男性の平均)のままにします
- 合う打ち出し角とスピン量、そして飛距離ポテンシャルが出ます。飛距離ポテンシャルの大きい数字がトータル(キャリー+転がり)、下の小さい数字がキャリー(ボールが落ちるまでの距離)です
- 「目安からずらしてみる」で、打ち出し角とスピン量を、今の自分の数字に近づけます。目安から、どれだけ落ちているかが見えます。打ち出し角とスピン量が分からない方は、ここは飛ばしてかまいません
ミート率は、今の当たり方がどこにあるかを測る物差しです。ボール初速をヘッドスピードで割った数字で、どれだけ芯で当たったかを表します。ドライバーなら、1.45以上がひとつの目安です。
ミート率を1.45にすると、芯で当たる球が増えたときの飛距離ポテンシャルが見えます。ヘッドスピードが上がれば、この数字も上がります。出てくる数字は、風のない平らな場所で計算した目安です。計算のしくみと出典は、記事の最後にまとめました。
合う打ち出し角が、今の自分の打ち出し角より高く出ても、ロフトを替える必要はありません。打ち出し角は、このあとお伝えする構えとティーの高さと、芯で当たることで近づけられます。
ヘッドスピード別の飛距離ポテンシャル早見表
計算機と同じ計算で、ヘッドスピードごとの数字を表にしました。ミート率は、アマチュア男性の平均の1.42と、ひとつの目安の1.45の2つです。数字はトータル、カッコの中がキャリーです(単位はヤード)。
| ヘッド スピード | 合う 打ち出し角 スピン量 | ミート率 1.42 | ミート率 1.45 |
|---|---|---|---|
| 30m/s | 16.5° 2750回転 | 149 (123) | 153 (128) |
| 32.5m/s | 16.5° 2750回転 | 166 (142) | 170 (147) |
| 35m/s | 16.5° 2750回転 | 182 (160) | 187 (166) |
| 37.5m/s | 16.0° 2750回転 | 198 (178) | 203 (183) |
| 40m/s | 14.0° 2700回転 | 214 (192) | 219 (198) |
| 42.5m/s | 13.5° 2600回転 | 231 (209) | 236 (215) |
| 45m/s | 13.0° 2500回転 | 248 (226) | 253 (233) |
| 47.5m/s | 12.5° 2400回転 | 264 (243) | 270 (250) |
| 50m/s | 12.0° 2300回転 | 280 (260) | 286 (266) |
40m/sの行で見てみます。TrackMan が測ったアマチュア男性の平均の当たり方(ミート率1.42・打ち出し角12.6°・スピン量3275回転)で計算すると、トータルは207ヤードです。
打ち出し角とスピン量が目安に合うと、214ヤード(+7)。芯で当たる球が増えて、ミート率が1.45まで上がると、219ヤード(さらに+5)。ヘッドスピードは、1つも上げていません。
打ち出し角とスピン量がずれると、何ヤード落ちるか
計算機の中の「ずれると、どれだけ落ちるか」の2つの表は、目安から打ち出し角だけ、スピン量だけをずらしたときの数字です。40m/s・ミート率1.42で見てみます。
スピン量が目安より400回転多いと、キャリーは2ヤード、トータルは5ヤード落ちます。1200回転多いと、キャリーは7ヤード、トータルは15ヤード落ちます。
打ち出し角が目安より6°低い球は、キャリーが23ヤード落ちます。トータルは3ヤードしか落ちませんが、これは低く出た分を転がりで取り返しているからです。
転がりは、地面しだいで大きく変わります。雨のあとや冬の芝のように転がらない日は、キャリーの差がそのまま出ます。キャリーで見ると、打ち出し角が低すぎるほうが、大きく落ちます。
それでも、打ち出しを自分で上げにいかなくて大丈夫です。上げようとしてすくうと、インパクトでロフトが増えて、打ち出しは上がっても、スピンは増えて、初速は落ちます。1つの動きで、3つ全部が変わってしまいます。
低く出て吹け上がる球は
芯を外した1つの球
スピン量を決める一番大きなものは、芯で当たるかどうかです。芯より下に当たると、スピンが増えて、打ち出しは低くなります。打ち出し角とスピン量は、芯で当たると、両方いっしょに目安へ近づきます。だから、芯が先です。
届く飛距離そのものを伸ばす順番|ミート率が先、ヘッドスピードはあと
ここで順番があります。力んでヘッドスピードを上げにいくと、芯を外しやすくなって、ミート率が下がります。そうなると、ヘッドスピードは上がったのに、初速はほとんど増えません。1つずつ進めていきましょう。
① 構えとティーで、芯に当たる土台を作る
スイングの中身を変える前に、止まった状態で直せることから始めてください。打ち方を変えずに、芯に当たる確率を上げられます。
構えで、上体をわずかに右に傾けます。右肩が左肩より少し下がるくらいです。こうしておくと、クラブが一番低い所を通ったあと、上がっていく途中でボールに当たりやすくなります(アッパーブロー)。アッパーブローで当たると、打ち出しが上がってスピンが減ります。
体を右に傾けると、連動して手も右に回り込みます。手だけを元の位置に残さないでください。
ボールの位置は変えずに、ヘッドの先のほうで構えます。フェースの真ん中にボールを合わせて構えると、上がりながら当たったときに、根元側へずれるからです。先のほうで構えておくと、上がってきたときに、ちょうど真ん中で当たります。

ティーの高さは、ヘッドの真ん中にボールを合わせて地面に置いたとき、ボールの半分くらいがフェースの上から出る高さが目安です。高さを決めるときだけ真ん中で合わせて、打つときは先のほうで構えてください。

② 打点シールで、答え合わせをする
構えとティーを整えたら、フェースに打点シール(ショットマーカー)を貼って、5球ほど打ってみてください。自分では真ん中で打っているつもりでも、実際の跡は違うところに付いていることがよくあります。

跡が一番多く付いた場所で、やることが変わります。
- 上に多い方は、ティーが高すぎることが多いです。もう一度、ヘッドの真ん中で合わせて高さを決め直し、打つときは先のほうで構えます
- 下に多い方は、スイングの途中で体の回転が止まっていることが多いです。前傾を保とうと構えを固めるより、体の回転で振り切ることを先にします
- 先に多い方は、腕を振ってクラブを操作していることが多いです。体の回転で振って、腕でクラブを動かしにいかないようにします
- 根元に多い方は、フェースの真ん中に合わせて構えているか、ボールに近づきすぎていることが多いです。ヘッドの先のほうで構えて、近かったら少し離れて構えます。それでも根元に当たる方は「ドライバーが芯に当たらない原因」をご覧ください
ここで「よし、芯に当てにいこう」と思うかもしれません。ところが、芯は当てにいくほど外れます。
僕自身、研修生のころに毎日500球打って、インパクトで合わせながら打つスイングが身についてしまいました。当てにいくほど当たりは不安定になり、飛距離も出ませんでした。
グリップの圧力が強い方や、体が回らずに腕だけで振っている方は、構えを直しても当てにいく動きが残って、打点が散ります。グリップの圧力が強い方は、マックスの20%くらいまで緩めるところから始めてください。グリップの圧力と、力を入れるタイミングは「力いっぱい振っても飛ばない本当の理由」でくわしく書いています。
③ ヘッドスピードは、そのあと
5球の跡で、一番多く付いた場所が真ん中になったら、ヘッドスピードを上げていく番です。芯で当たるようになってから上げると、上げた分が初速に乗りやすくなります。ヘッドスピードの上げ方は、次の動画で紹介しています。
ドライバー全体の見直しは「ドライバー完全攻略」でまとめています。
まとめ:同じヘッドスピードでも、当たり方で飛距離は伸びる
- 計算機で、今のヘッドスピードとミート率のまま届く飛距離が分かります
- 打ち出し角とスピン量のずれは、多くが芯を外した1つの球から起きます
- 届く飛距離そのものを伸ばすのは、構えとティーで芯に当たる土台を作ってから、ヘッドスピードの順です
芯で当たる球が増えると、ミート率が上がって、計算機の数字そのものが伸びていきます。そのあとヘッドスピードを上げれば、上げた分が初速に乗ります。まずは今のヘッドスピードとミート率を入れて、届く飛距離を出してみてください。
ドライバーの取説では、この計算機に加えて、ドライバーの5つの性質、構えとティー、打点の診断、練習メニューまでを1つのページにまとめています。公式LINEに登録していただくと、すぐにお受け取りいただけます。
✅飛距離ポテンシャルの計算機
✅ドライバーの5つの性質
✅飛距離アップの三原則(ボール初速・打ち出し角・スピン量)
✅打点の診断
✅練習場でやる練習メニュー
よくある質問
出てくる飛距離はキャリーですか、トータルですか?
両方出ます。大きい数字がトータル(キャリー+転がり)、下の小さい数字がキャリーです。転がりは地面の硬さで大きく変わるので、雨のあとや冬の芝では、キャリーの数字で見てください。
計算より、実際に飛んでいません。
計算は、入れたミート率のまま、打ち出し角とスピン量が目安どおりに出たときの数字です。実際の打ち出し角やスピン量が目安からずれている分と、風や地面の分が差になります。ずれた分がどれくらいかは、計算機の中の「ずれると、どれだけ落ちるか」の表で見られます。
合う打ち出し角にするために、ロフトを替えた方がいいですか?
いま使っているロフトを替える必要はありません。ロフトが立つほどボール初速は出やすくなりますが、立てすぎると球が上がらなくなります。打ち出し角は、構えとティーの高さで近づけてください。
計測器がないと、ミート率は分かりませんか?
計測器がない場合は、打点シールで跡が真ん中に集まっているかを見るのが、いちばん手軽な確かめ方です。
計算のしくみと出典
この記事の計算機は、ボール初速・打ち出し角・スピン量から、空気の抵抗と揚力で弾道を計算し、落ちたところからの転がりを足しています。計算の係数は、TrackMan のツアー平均(2023年)と、PGA TOUR の平均飛距離(2022-23シーズン)に合わせました。ヘッドスピード30・35・40m/s帯でプロが打った実測(ゴルフダイジェスト・TrackMan 4)とも、5%以内で合うことを確かめています。
合う打ち出し角とスピン量の目安は、ヘッドスピード40・45・50m/sが月刊ゴルフダイジェスト調べ「ヘッドスピード別・飛ばせる理想の弾道データ」、30〜37m/sが True Spec Golf「Launch Monitor Preferred Parameters」です。あいだの速さは、2つの表の間を線で結んで出しています。
風・気温・ボール・地面の硬さで、実際の飛距離は変わります。とくに転がりは、地面しだいで大きく変わります。


コメント