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ゴルフレッスン/クラブのパフォーマンスを引き出すスイング作り
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マキロイがドローにフェードを加えた3つの理由|マキロイから学ぶスイング改造の真意

2026 4/14
未分類
2026年4月14日 2026年4月14日
ゴルフコースで夕陽を浴びるゴルファーのシルエット — フェードとドローの弾道

2025年、2026年とマスターズを連覇。史上4人目となる偉業を達成したローリー・マキロイ。

今や世界最強のゴルファーの一人だ。

でも、彼がかつて世界を圧倒した武器が「ドロー」だったこと、覚えているだろうか。

右に打ち出して、力強く左に戻ってくる球。あの圧倒的な飛距離を生み出していたドロー。

それを、なぜ彼は手放したのか?

いや、正確には「手放した」わけじゃない。

ドローを極めた上で、フェードを手札に加えた。これが真相だ。

そしてそこには、スイングの「歴史」がある。

体の変化、道具の進化、そして自分が求めるゴルフのレベル。この3つが変われば、スイングも変わるのが自然なこと。

今回はマキロイのスイング改造を徹底的に調べた結果と、僕なりの考察を踏まえて、3つの視点で書いていこうと思う。

  1. ミスショットの傾向から考えるスイング作り
  2. 道具の進化がショットに与える影響
  3. 体の変化に対応するためのスイング変更
目次

ゴルフスイングには「歴史」がある

これはマキロイに限った話じゃない。プロもアマチュアも、スイングには必ず「歴史」がある。

20代の頃に作ったスイングが40代でも通用するとは限らない。5年前に買ったクラブに合わせたスイングが、最新のクラブでもベストかはわからない。

今回のマキロイの話は、まさにそのど真ん中の事例だ。

2014年にメジャー2勝を挙げた絶頂のドロースイングが、10年の間に合わなくなっていった。そして彼はフェードへと舵を切った。

なぜそうなったのか。3つの理由を順番に見ていこう。

【視点1】ミスショットの傾向から考えるスイング作り

マキロイを苦しめた「2つのミス」

2014年のマキロイのスイングは完璧だった。強烈なインサイド・アウト軌道から、高弾道のドローを放つ。

右腕を常に体の正面にキープし、ダウンスイングで自然に腕が落ちてくる。柔軟性の高い若い体が、この精密なメカニズムを支えていた。

でもここから問題が起きる。筋トレを重ねて体が大きくなった結果、肩まわりの可動域が落ちた。かつては体の正面にキープできていた右腕が、バックスイングで体の後ろに取り残される。

こうなると、クラブが必要以上にインサイドに落ちてしまう。その軌道のまま振ると、右へプッシュアウト。それを嫌がって手を返しすぎると、左への強烈なフック。

右にも左にも飛んでいく。これが「ツーウェイ・ミス」と呼ばれる状態だ。マキロイを10年間苦しめ続けた。

特にメジャーの最終日、プレッシャーがかかる場面で左への引っかけが出てしまう。これが致命傷だった。

フェードに変えたら「左の恐怖」が消えた

マキロイがフェードに移行した最大の理由はシンプルだ。

ミスの方向を1つに絞りたかった。

フェードなら、ボールは左から右にしか動かない。左に打ち出して、右に戻ってくることを信じて振り切れる。

マキロイ自身も「ボールが戻ってくることを信じて左サイドにコミットできるようになった」と語っている。

具体的にやったことは、体重移動のタイミングを変えたこと。トップの形が完成する前から、すでに左足に体重を移し始める。

この「リセンタリング」と呼ばれる動きで、インパクトでの手首の過剰な動きを抑える。つまり、手で合わせるスイングから、体の回転で振るスイングへ。

これって実は、僕がレッスンで毎日のように話していることでもある。

腕で振っていると、日によって右にも左にもミスが出る。体の回転軸が安定して振れていれば、ミスの方向が一定になる。

先日のレッスンでも生徒さんが「うまく打てるのが続かないのは、体でやってないからだなと感じました」と自分で気づいてくれた。

マキロイほどの選手が気づいたことと、アマチュアの生徒さんが気づいたことが同じだというのが面白い。

スイングのレベルは違っても、原理は同じなんです。

でも、マキロイを変えたのは体の使い方だけじゃない。もう1つ、見逃せない要素がある。

【視点2】道具の進化によるショットへの影響

現代のクラブとボールは「低スピン」に進化した

「スイングを変えたのはわかった。でも、なぜそこまで道具の話が関係するの?」と思うかもしれない。

答えはシンプルだ。この10年で、ドライバーもボールも、ものすごく「低スピン」になったから。

スピンが少ないとボールは遠くに飛ぶ。でも、少なすぎると問題が起きる。

ドローボールは構造上、フェードよりもスピン量が500〜800回転ほど少なくなる。もともと低スピンの現代クラブでさらにスピンが減るドローを打つと、空中でボールが安定しなくなる。

風に流されたり、急にドロップしたり。いわゆる「ナックルボール」の状態。

マキロイのようにボールスピードが極めて速い選手だと、このリスクはさらに高まる。

一方、フェードはフェースがわずかに開いた状態でインパクトを迎えるから、バックスピンが確保しやすい。この適度なスピンが弾道を安定させ、風の影響を予測しやすくし、着弾後のランも抑えてくれる。

簡単に言えば、「止められる球」が打てるということ。

ボール変更で「コントロールできるゴルフ」を手に入れた

マキロイは2025年初頭、使用ボールをTP5xからTP5に変更した。

TP5xは硬くてスピンが少ない。飛距離は出るけど止まりにくい。TP5はスピンが入りやすく、打ち出し角が約1度低くなる。

たった1度。でもプロにとっては大きい。60〜70ヤードのコントロールショットで距離感が劇的に改善したという。

この変更に合わせて、ピッチングウェッジのロフトを1.5度弱めの48度にした。ボールが変われば、クラブセッティングも変わる。

面白いデータがある。フェードに変えた後も、マキロイのドライバー平均飛距離は2014年の304ヤードから約314ヤードに伸びた。

フェード=飛ばないというイメージがあるけど、現代の道具を正しく使えば、コントロールしながら飛距離も出る。

「ドローの方が飛ぶから」という理由でドローにこだわっている人は、この事実を知っておいてほしい。

【視点3】体の変化に対応するためのスイング変更

筋トレで「飛ぶ体」を手に入れた代償

マキロイはこの10年間、徹底したウエイトトレーニングを行った。PGAツアーでも屈指の強靭な肉体を持つ選手だ。ヘッドスピードは間違いなく上がった。

でも、代償もあった。

筋肉量が増えたことで、肩甲骨まわりや胸郭の柔軟性が落ちてしまった。かつての繊細なスイングメカニズムが機能しなくなったのは、先に話した通りだ。

さらに深刻なのは、腰の問題。20歳の時にMRI検査を受けて、仙腸関節への過剰な負荷が見つかっている。

そして2026年3月には、背中の痙攣で試合を棄権した。36歳を迎える直前の出来事だ。

ドローを打つスイングは、インパクトにかけて右肩を極端に下げてインサイドからクラブを入れる動きを伴う。この「右側屈」と呼ばれる動きが、腰椎に強烈な圧縮力を与え続ける。

20代なら耐えられても、30代半ばで同じ負荷をかけ続けるのは危険だ。

体に優しいスイング=フェードだった

フェードのスイングは、体の回転を主体にしてクラブを左に低く振り抜く動き。

インサイドからクラブを寝かせて入れる必要がないから、腰への過剰なねじれが減る。骨盤の早い回転で負荷を全身に分散させることができる。

長くゴルフを続けるために、フェードは「必然の選択」だった。

これは僕がレッスンで常に意識していることでもある。

先日も左肘が痛いという生徒さんのスイングを見直した。体の回転に腕がついてくる形で振れていれば、腕は振らされているだけだから負担がかからない。

実際にドリルをやった後、その生徒さんが言った言葉が印象的だった。

「これが一番ひじが痛くない」

マキロイの腰も、僕の生徒さんの肘も、根っこは同じだと思う。体に合わない動きを続けると、体がフィードバックを返してくる。そのサインを無視しないこと。

長くゴルフを続けるためには体の変化に合わせた「進化」が必要なんです。

これは一般ゴルファーにも当てはまるのか?

ここまでマキロイの話をしてきたけど、大事なのはここからだ。

マキロイの事例から学べることと、真似する必要がないことがある。

ドローとフェードを打ち分ける必要はない

はっきり言う。一般ゴルファーがドローとフェードを打ち分ける必要はない。

「でも、マキロイは打ち分けてるじゃん」と思うかもしれない。

でも彼がやったのは、「片方を極めた上で、もう片方も打てるようにした」ということ。順番が大事だ。

まずは持ち球を1つ決めて、そのミスの傾向を安定させる方がはるかに効率がいい。

例えば、アマチュアゴルファーの人であれば、日本オープン優勝を目指すレベルの人だったとしても、打ち分けるより片方を極める方が効率よく上達できる。

「ドローもフェードも打てた方がいいですかね?」とよく聞かれるけど、まずは1つを磨くこと。そこが安定してから、初めて次のステップが見えてくる。

年齢とともに訪れる体の変化をどう受け止めるか

マキロイは筋力アップの代償として柔軟性を失い、スイングを変えた。

これは全ゴルファーに必ず訪れる問題だ。

ここで選択肢は2つある。

1つ目は、体の変化を受け入れてスイングの方を変えること。2つ目は、体のメンテナンスを行い、老化に逆らうこと。

どっちが良いとか悪いじゃない。大事なのは「選択すること」だ。

何も考えずに20代のスイングを50代で続けようとして、体を壊す人は本当に多い。

マキロイは世界トップレベルの医療チームとトレーナーがついている。それでも体の変化を受け入れてスイングを変える決断をした。

この事実は重く受け止めてほしい。

道具は今後も進化し続ける

最後にもう1つ。

道具の進化は止まらない。5年前の「常識」は今の「非常識」になりうる。

「ドローが飛ぶ」と言われていた時代から、「フェードでも飛ぶ」時代に変わった。

マキロイがボールを変えただけでアプローチの精度が劇的に変わったように、道具1つでゴルフは変わる。

だからこそ、定期的なフィッティングは大切だ。自分のスイングに合った道具を使うこと。

それだけで、今のスイングのままでも結果が変わることは十分にある。

まとめ|スイングには「あなただけの歴史」がある

マキロイがドローにフェードを加えた理由を整理する。

  1. ミスの方向を1つに絞って、再現性を高めた
  2. 現代の道具に合ったボールで、コントロールと飛距離を両立した
  3. 体の変化を受け入れて、長く戦えるスイングへと進化させた

この3つはすべて、僕たち一般ゴルファーにも通じる考え方だ。

スイングには歴史がある。あなたのスイングにも、あなただけの歴史がある。

体が変わった。道具が変わった。目標が変わった。

それなら、スイングが変わるのは自然なこと。

まずは自分のミスの傾向を知ることから始めてみてほしい。

右に出やすいのか、左に出やすいのか。それがわかるだけで、次にやるべきことが見えてくる。

持ち球を安定させる土台として、スイング軸の安定や手首の使い方は避けて通れない。もっと体系的に学びたい方は、ゴルフスイングの教科書も参考にしてほしい。

マキロイが教えてくれたのは、スイングは「完成させるもの」じゃなくて、「進化させ続けるもの」だということ。

あなたのスイングの次の進化は、どこに向かうだろうか。

ぜひ一度考えてみて欲しい。

 

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鳥居 俊佑
ゴルフコーチ
SNS総フォロワー10万人以上。現役ゴルフコーチ。
3,000名様以上のレッスン経験をもとに、「仕事もゴルフも極めたい!大人ゴルファーのためのゴルフ上達術」をテーマに指導しています。
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