「ダウンスイングは手で下ろすなと言われるけれど、どう振ればいいのか分からない」
「タメを作ると、ほどくときにガクンとなって、きれいに振れない」
そんな悩みを抱えている方に、先に結論をお伝えします。
ダウンスイングで、自分の力で手を下ろそうとするのは、僕は完全に間違いだと思っています。手は下ろすものではなく、落ちてくるものです。
ダウンスイングは、クラブが動いてくる慣性(動き続けようとする勢い)の力を使って振っていきます。クラブがまだ上がっている最中に体が戻り始めると、右手にクラブの重さがかかってきます。それを受け止めて、体の動きに合わせて押し返すと、ヘッドが走ります。押し返すのは、クラブの勢いに負けないためです。自分で引き下ろすのとは違います。
クラブが動いてくる
慣性の力を使って振る
こんにちは、オンラインゴルフコーチの鳥居俊佑です。
これまで3,000名以上の方をレッスンしてきました。ダウンスイングで手を下ろそうとして、ダフったり、ヘッドが走らなかったりする方に、たくさんお会いしてきました。この記事では、次の順番でお伝えします。
- なぜ「手を下ろす」だと上手くいかないのか
- 正しいダウンスイングで起きていること
- 練習場で試す3ステップ
なぜ「手を下ろす」だと上手くいかないのか
「落とす」と「落ちる」は、たった2文字の違いですが、中身はまったく違います。落とすは、自分の力で下ろそうとする動きです。落ちるは、重力とクラブの慣性で、落ちてきている状態です。
「真下に下ろす」と教わってきた方もいると思います。間違いなのは、手が下りてくる向きではありません。自分の力で下ろそうとすることです。
野球のバットやテニスのラケットは、握っている手の延長線上に重心があります。ゴルフクラブは、そうではありません。そのため、スイングの途中で軌道がずれやすい道具です。クラブが動き続けようとする勢いを使って振れれば、軌道もフェースの向きもずれにくくなります。
ところが、手で下ろそうとした瞬間に、この勢いを邪魔してしまいます。切り返しで腕から下ろすと、クラブが外から入ってきます。それを避けようとして下ろすと、今度は内側から入りすぎて、大きくダフったり、フックが強く出たりします。

▶ この場面の動画:ダウンスイングで手を落とそうとする人がダフり続ける本当の理由(YouTube)
タメも、自分で作るものではありません。くわしくは、記事の最後のよくある質問でお答えします。
正しいダウンスイングで起きていること
切り返しでは、胸が回り始めます。体が戻り始めても、クラブは慣性で、まだ上がろうとしています。体が先に戻っても、バックスイングが途中で終わるわけではありません。
トップの位置で、クラブが上がりきるのを待ってしまう方が多いのですが、待つと、体とクラブが逆に動くこの瞬間がなくなってしまいます。
体は戻ろうとしているのに、クラブはまだ上がろうとしている。この引っ張り合いで、シャフトがしなり、タメが自然に生まれます。このとき、右手にクラブの重さがかかってきます。体が速く戻るほど、クラブとの差が大きくなって、ヘッドスピードも上がります。
右手は、かかってきたクラブの重さを受け止めて、体の動きに合わせて押し返します。クラブはまだ上がろうとしているので、押し返してもタメは残ります。
上がりきったクラブは、重力で落ち始め、その勢いのまま、戻ってくる体に、腕と一緒についてきます。右手は、そのあいだも体の動きに合わせて押し返していきます。手元の通り道は、戻ってくる体に任せておけば大丈夫です。手は、自分で下ろさなくても落ちてきます。

▶ この場面の動画:ダウンスイングで手を落とそうとする人がダフり続ける本当の理由(YouTube)
ダウンスイングでは、脇腹が動いてきて、クラブが遅れてついてきます。
動画の中の練習は、この記事の3ステップの順で進めてください。グリップの力は20%、左足で地面を蹴る練習は体がはっきり回るようになってからにしてください。
練習場で試す3ステップ
打つときに意識するのは、クラブの動きです。体の動きを確かめるのは、ドリルの時間にしてください。
3つのステップとも、止めずに、動きの中でやります。トップの位置で止まってしまうと、クラブとの引っ張り合いが生まれません。クラブは、ドライバー以外の練習したいクラブで、迷ったら9番アイアンでかまいません。
STEP 1:クラブの勢いで、手が落ちてくる感覚をつかむ
グリップの力は、一番強く握ったときの20%くらいにします。20%の目安は、クラブを立てて持ち、ヘッドで円を描くように自分から見て右回りにぐるぐる回したとき、一番速く回せる力です。その力感のまま構えて、振っていきます。

▶ この場面の動画:アイアンが当たらない原因、9割これです。(YouTube)
- 最初にショートスイング(クラブが腰の高さから腰の高さまでの振り幅)でボールを打ち、クラブが手から抜けないのを確かめる
- ハーフスイング(左腕と地面が平行になるくらいの振り幅)で、止めずに振って打つ
- 慣れたら、フルスイングで打つ。フルスイングで当たらなければ、振り幅を落とす
フルスイングでも、自分で下ろさずに「え、これで当たっちゃうの?」と思うくらい当たれば、できています。
今まで腕でクラブをコントロールしていた方は、最初はトップ(ボールの上をたたくミス)やダフりが出るかもしれません。くわしくは、よくある質問でお答えします。
STEP 2:右手1本で、クラブの重さを受け止めて押し返す

▶ この場面の動画:ダウンスイングで手を落とそうとする人がダフり続ける本当の理由(YouTube)
- 右手1本でクラブを持ち、左手は胸に当てる
- 体の回転でバックスイングする。クラブの勢いで、右の手首が曲げられていく。自分で曲げにいかない
- 止めずに切り返すと、体が戻り始めたところで、右手の人差し指の第2関節と第3関節のあいだ(ふくらんでいる所)に、クラブの重さが乗ってくる。これが、受け止めた状態
- 重さが乗ってきてから、その重さを、体の動きに合わせて、デコピンのように押し返していく
押し返すのは、クラブが動いてくる勢いに負けないためです。自分で引き下ろすのとは違います。重さが乗ってくる前に、自分から積極的に手首を動かす(こねる)のとも違います。
切り返しで、人差し指のふくらんでいる所にクラブの重さが乗ってくるのが分かれば、できています。
グリップの力は、STEP 1 と同じく弱くしておきます。ショートスイングの振り幅から始めて、クラブが手から抜けないのを確かめてから、ボールを打ち、ハーフスイング、フルスイングと大きくしていきます。受け止める場所は、手首の使い方をまとめた記事でもくわしく解説しています。
STEP 3:左の脇腹で、胸を回す
ここは、胸の回転を速くするための、体の側の練習です。体が速く戻るほど、クラブとの差が大きくなります。このドリルで意識するのは、胸を速く回すことです。胸を回すときに使うのは、肩でも腰でもなく、左の脇腹です。
- 左手1本で、クラブのヘッドの近くを持って構える(クラブを逆さまに持ちます)
- 右手を、左の脇腹に当てる
- 右手で脇腹を右に回していくように、クラブを上げる。右手を当てている左の脇腹が縮んで、しわが寄るのを感じる
- 止めずに、ダウンスイングで、右手で脇腹を戻してくるように動かす。最初はショートスイングの振り幅から、慣れたらハーフスイングくらいまで
- 慣れたら、ふつうにクラブを持ってボールを打つ。最初はショートスイングの振り幅から。打つときに意識するのは、クラブの動きです

▶ この場面の動画:手打ち脱却。脇腹のひねりと戻しで完成する安定インパクト(YouTube)
画像ではドライバーを使っていますが、練習するのはドライバー以外のクラブで、迷ったら9番アイアンでかまいません。
インパクトのときに、構えたときよりはっきり体が回っていれば、できています。目標の反対側から、打つ方向に向けて撮った動画で、お尻と背中が見えるくらいが目安です。
これができたら、左足で地面を蹴る練習に進みます。くわしくは、下半身の使い方をまとめた記事で解説しています。同じ持ち方でバックスイングを練習する手順は、ショートスイングの練習をまとめた記事にあります。
打っているときに、STEP 1 か STEP 2 の目印が消えたら、そのステップに戻ってください。
クラブの勢いで手が落ちてくる感覚は、練習場ではつかめても、コースの1打目になると、また手から下ろしにいきがちです。コースに持っていくには、もう1つ大事なことがあります。
まとめ:クラブが動いてくる慣性の力を使って振る
ダウンスイングは、自分の力で手を下ろさずに、クラブが動いてくる慣性の力を使って振っていきます。体が戻り始めると、右手にクラブの重さがかかります。それを受け止めて、体の動きに合わせて押し返します。手は、自分で下ろさなくても、戻ってくる体についてきて、落ちてきます。
3つのステップを順番に続けていくと、腕に力を入れていないのにヘッドが走って、当たりが分厚くなり、球がつかまるようになってきます。
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レッスンのこと
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このブログを書いている僕が、マンツーマンのオンラインレッスンで何をしているのか。なぜそれで上達するのか。1本の記事にまとめました。
よくある質問
グリップを緩めると、クラブが飛んでいきそうで怖いです
最初はショートスイングの振り幅で、クラブが手から抜けないのを確かめてから、少しずつ大きくしてください。
STEP 1 で、トップやダフりが出ます
自分で下ろす感覚が、まだ残っているからです。自分で下ろす感覚がなくなってくると、当たるようになってきます。STEP 1 の手順3のとおり、当たる振り幅まで落として続けてください。
タメは必要ですか?
タメは、自分で作るものではありません。体が先に戻って、クラブが遅れてついてくることで、自然に生まれます。右手で押し返しても、クラブはまだ上がろうとしているので、タメは残ります。


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