何年も100切りの手前で止まっている。
同じところをぐるぐるしている感覚、ありませんか?
練習場では打てるのに、コースに出ると崩れる。ドライバーを直せばアイアンが崩れる。そんなループです。
じつは、この状態から抜けるのに一番効くのは「スイングを直すこと」ではありません。
見てほしい数字が、5つあります。
平均パット、パーオン率、フェアウェイキープ率、ドライビングディスタンス、ワンパット率。この5つを並べると、自分のスコアの漏れどころが立体で見えてきます。
「ドライバーが悪い」「アプローチが下手」。そう感じているものは、だいたい犯人じゃないんです。数字で見ると、じつはパッティングが一番スコアを削っていた、というケースが普通に起きます。
今日は、この5つの数字の見方と、何から下げればいいかをお話しします。
1つ目|平均パット
1ラウンドでパットに使った打数を、18で割った数字です。小数点第1位まで出してください。
昔の私は1.95でした。今は1.85です。
たった0.1じゃないか、と思いますよね。でも、ラウンドに直すと1.8打の差です。月に4回回る人なら、年間で80打以上変わる計算になります。
100切り手前の方の平均パットは、ほとんどが2.0を超えています。ここが1.9台に入ると、それだけで5打近く縮みます。バックスイングを小さくする練習より、こっちのほうがずっと早くスコアに返ってきます。
ここで、パットを減らす最短ルートを誤解している方が多い。
「ロングパットの練習をする」と思っていませんか?
違うんです。長いパットを打たなくて済む位置に、1打目を運ぶこと。これが平均パットを下げる一番の近道です。
受講生のMさんも、最初は毎ラウンド40パット前後でした。寄せに使うクラブを8番アイアンから52度に変えた、ただそれだけで、2週間後には34パットに落ち着いた方です。ピンまで2〜3メートル付ける練習にスイッチしただけでした。
2つ目|パーオン率
規定打数から2引いた打数以内で、グリーンに乗ったホールの割合です。パー4なら2オン、パー5なら3オン。
100切り手前の方は、多くが10〜20%。これが30%まで届くと、スコアは自然に90前後に落ち着きます。
では、パーオン率が上がらない原因は何か。
ティーショットの距離じゃないんです。セカンドショットのクラブ選びです。
「前は届いたから」で、同じクラブを握っていませんか?
距離の出るクラブを無理に振るより、少し短いクラブでグリーンの手前まで確実に運ぶ。これが、大きな叩きを消す動きです。
昔、私も見栄で7番で狙って右のOBを連発していました。8番で手前に刻んだら、ダボだったホールがボギーになった、というだけの話です。
3つ目|フェアウェイキープ率
ティーショットでフェアウェイに乗った率。
数字そのものよりも、これが低い人の共通点のほうが大事です。ドライバーをフルスイングで振っている。ほぼ全員、ここです。
力を一個落とすと、フェアウェイキープ率は明らかに上がります。
「それだと飛距離が落ちるんじゃないですか?」
そうですよね。でも、20ヤード落ちても、グリーンまでの距離が自分の予測範囲に入る。そのほうが、スコアに精度を返してくれます。
受講生のSさんは、ドライバーを8割の力で振る練習に変えた週から、キープ率が目に見えて変わりました。「え、これでよかったんですか?」って言われた一発です。
4つ目|ドライビングディスタンス
ティーショットの平均飛距離。
これは「伸ばす数字」じゃありません。「受け入れる数字」です。
自分のドライビングディスタンスを把握していない方は、距離の判断でムリをします。220ヤードを運べない人が、220ヤードを狙って残り距離が乱れる。これが、スコアを壊す一番はじめのミスです。
平均210ヤード飛ぶ方は、「210ヤードにバンカーがあるホール」をずらす。まずは自分の守備範囲を知る。これが、コースマネジメントのスタートラインです。
「もっと飛ばしたい」の気持ちは、わかります。昔の私もそうでした。
でも、飛距離を伸ばす練習と、スコアを縮める練習は、別物です。
5つ目|ワンパット率
1打でカップインしたホールの割合。
地味な数字ですが、スコアの上限を決めるのはここです。
ワンパット率が上がらない原因は、「入れにいくパット」じゃないんです。中距離パットのタッチが合っていない。3〜5メートルのファーストパットで、残り50センチ以内に寄せられるか。ここが、ワンパットの鍵です。
「入れる練習」より「寄せる練習」。これが結論です。
受講生のTさんは、3メートルのパットを10球打って、全部50センチ以内に止める練習を始めました。1ヶ月後、ラウンド中のワンパット本数が、はっきりと増えています。
まとめ|数字を見れば、スイングを直す必要が減る
もう一度、結論をお伝えします。
平均パット、パーオン率、フェアウェイキープ率、ドライビングディスタンス、ワンパット率。この5つの数字を並べると、自分がスコアで損している場所がはっきりします。
多くの場合、スイングじゃなくて、判断と選択が犯人です。
スイングを直すのは、体の負担も大きくて、なにより時間がかかります。数字で「もっと近い場所」を見つけてから動くほうが、一生付き合う趣味としてのゴルフとは、しっくり来るはずです。
今日から1ヶ月、毎ラウンドでこの5つを記録してみてください。「あ、私はここでスコアを漏らしていたのか」という、変な納得感が来ます。
よくある質問
Q. 数字を記録するアプリは何がおすすめ?
「ゴルフネットワークスコア」のような無料アプリで十分です。高機能アプリは入力が多くて、続かないことが多いんです。まずはシンプルに。
Q. スコアが散らばる日と、数字の関係は?
好調日と不調日の差が大きいのは、ワンパット率とパッティング数です。パッティングで1ホールあたり0.3打揺らげば、1ラウンドで5打以上の差が普通に出ます。どこで揺れているかを調べておくと、落ち込みは浅くて済みます。
Q. アプリだけ見ていたら、感覚が鈍りませんか?
そのとおりです。その対策として、大叩きしたホール(ダブルボギー以上叩いたホール)だけメモしておいてください。見ていると「同じ間違いを繰り返している」ことが浮き上がってきて、数字と感覚がつながります。
Q. 5つのうち、1つだけ目指すなら?
100切りを目指す段階なら、平均パットを下げることが一番早いです。スイングに手をつけずにできて、その日のうちに複数ホールで差が出ます。
著者プロフィール
鳥居俊佑(とりい・しゅんすけ)。20歳でゴルフを始め、現在37歳。ゴルフ歴17年。現役ゴルフインストラクターとして、3,000人以上のレッスンをしてきました。主に40〜50代の方を中心に、「ゴルフは上手くなればなるほど楽しくなる」を信条に、一生付き合える趣味としてのゴルフを伝えています。
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