「ラウンドが終わるたびに、OBが5回も6回も出る」
「ボール代もスコアも、毎回精神的に削られる」
そう感じている方に、はっきりお伝えします。OBの原因のほとんどは、ダウンスイングではなくバックスイングにあります。
「いやいや、ダウンの方が大事でしょう」と思われるかもしれません。気持ちはわかります。でも、レッスンで3000名以上の方を見てきて、はっきり見えてきた事実があるんです。
バックスイングの段階で、すでにOBが確定してしまっている方が、本当に多い。
逆に言えば、バックスイングを変えただけで、毎ラウンドOBが5回出ていた方が0になり、ベストスコアが107から95まで縮んだケースもあります。曲がり幅が小さくなった結果、ドライバーが30ヤード伸びた方もいる。
この記事では、僕がレッスンで見てきた「バックスイングでやってはいけないOBムーブ」を、ワースト5位から1位までランキング形式で解説します。1位は、70台で安定して回れているゴルファー以外、全員当てはまる動きです。
自分のスイングを思い浮かべながら、最後まで読んでみてください。
OBが止まらない原因はダウンじゃなく「バックスイング」
ダウンを直しても根本は変わらない理由
OBが出ると、多くの方はダウンスイングやインパクトを修正しようとします。
でも、バックスイングが間違っていたら、ダウンスイングでどう頑張っても取り返せません。ボタンの掛け違いと同じです。最初の1個がズレたまま下まで掛けても、絶対に揃いません。
バックスイングが悪いから、ダウンで悪い動きが出る。順番が逆なんです。
バックスイング改善でOB 5回→0、ベスト107→95の事例
レッスン生のNさんは、毎ラウンドOBが5回以上出ていました。
振り方をいくら変えても直らない。本人もずっと悩んでいた。でも、バックスイングだけを変えたら、次のラウンドでOBが0になりました。ベストスコアも107から95まで、一気に縮んだ。
別の方は、曲がり幅が小さくなった結果、ボールがクラブの芯で捕えられるようになり、ドライバーが30ヤード伸びました。
バックスイングにこだわる価値は、それだけ大きいということです。
5位までを順番に潰せば、誰でも改善できる
これから紹介する5つは、5位から順番に直していくのがオススメです。
5位の頭ぶれは表面的な症状、1位の腕主導は根っこの原因。表面から潰していくと、自分のスイングのどこに問題があるかが、自然と見えてきます。
5つ全部当てはまっていても安心してください。1個ずつ潰せば、必ず変わります。
ワースト5位|頭がぶれる
上下左右にズレた瞬間、打点がOBに直結
バックスイング中、頭は体の回転に連動して多少は動きます。問題は、動きすぎてしまうこと。
頭が動きすぎると、まずダウンで打点がズレます。元に戻そうとして行きすぎる動きが入ると、さらに当たりが安定しない。突っ込んでいけばアウトサイドインでスライス、頭が沈んで伸び上がればインサイドアウトでフックが強く出ます。
頭は、コップに入れた水だと思ってください。コップを動かさずに体だけ回せれば、水はこぼれません。コップごと振り回したら、中身はこぼれる。OBが出るのは、コップを振り回しているからです。
頭を止めようとすると首を痛めるので注意
「頭を動かすな」と言われると、ほとんどの方は頭そのものを止めにいきます。
これが大きな落とし穴です。頭を意識的に止めると、肩に力が入って回転が止まる。むしろ余計に頭がズレるし、最悪の場合、首を痛めます。
頭がズレる本当の原因は、肩の回転方向が間違っているから。肩が背骨に対して直角に回っていれば、頭は勝手に止まります。直さないといけないのは、頭ではなく肩なんです。
改善ドリル:足元クラブに沿って肩を回転
正しい肩の回転を体感するドリルです。
- 両手でクラブを挟むように持つ
- 足元(ターゲットラインの方向)にクラブをもう1本置く
- 足元のクラブと、持っているクラブが重なるように構える
- 下のクラブに沿って、左手をまっすぐ動かしていく
これができれば、肩は背骨に対して直角に回ります。
頭が上がる方は、左手が上に逃げるはず。横にズレる方は、左手が外に流れます。鏡で確認すると一発で分かります。
正しく動けると、バックスイングで脇腹に張りを感じます。この張りがあるかどうかが、合格ラインです。
ワースト4位|前傾角度が起き上がる
トップで起き上がる→ダウンでアウトサイドからクラブが来る
アドレスで作った前傾を、トップまで保てない方が本当に多いです。
起き上がってしまうと、ダウンで沈み込もうとした瞬間、クラブがアウトサイドから降りてきます。さらに沈み込みが入ると、右に押し出すような振り方になって、プッシュスライスが出る。
前傾は、お辞儀から立ち上がる動きの逆です。一度作ったお辞儀の角度を、振り終わるまでキープする。途中で立ち上がったら、お辞儀じゃなくなります。
厄介なのは、途中までは前傾を保てているのに、トップに上がる瞬間だけ起き上がる方が多いこと。最後の一瞬で全部台無しになるパターンです。
原因は「腕で反動をつけて切り返す」こと
トップで起き上がる方の共通点は、ダウンに入る切り返しを腕で行おうとしていることです。
腕で反動をつけようとすると、トップで一度上に伸びて、その勢いで振り下ろす形になる。この「上に伸びる」が起き上がりの正体です。
切り返しは腕じゃなく、脇腹の動きを戻すことで作る。これだけで起き上がりは消えます。脇腹を主役にする3ステップは別記事で詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。
改善ドリル:トップで一旦止めてから振る
反動をつける癖を消すには、トップで一度完全に止まってから振るドリルが効きます。
反動を使う方は、トップで止まったあと、もう一度上に上げてから振ろうとします。これがNG動作。止めた位置から、それ以上一切上げずに下ろしてください。
実際のスイングではトップで止まることはありませんが、止まる感覚を体に覚えさせると、本番でも起き上がりが減ります。
ワースト3位|手首が曲がるタイミングが遅い
ハーフまで手首が曲がらない弊害
バックスイングの早い段階で手首が曲がってこないと、トップからダウンで急激に手首が動きます。
結果、リリースが早くなり、ヘッドが先に降りて当たり負けする。曲がり幅も大きくなり、OBが止まらなくなります。
理想は、ハーフスイング(クラブが地面と平行になる位置)までに手首が自然に曲がってくる状態です。
ダフリを恐れて手首を固める→ヘッドスピードが落ちる
もう1パターン、ダフリを怖がって手首を固めてしまう方も多いです。
固めるとミート率は安定するように見えますが、ヘッドスピードが一気に落ちる。鉄パイプを振っているような動きになります。
本来クラブは、ムチのようにしならせて使う道具です。ムチは握りを固めたら、ただの棒になる。逆に、握りを緩めてしならせると、先端だけが鋭く加速します。これがヘッドスピードの正体です。
改善ドリル:親指と人差し指でクラブをつまむ
手の余計な力みを抑えて、ヘッドが手を追い越す感覚を掴むドリルです。
- クラブを親指と人差し指の2本だけでつまんで持つ
- 残りの3本の指は伸ばしておく
- 体の回転で、最初は小さくクラブを振る
- 徐々に大きくして、フォローの反動で手首を曲げる
ヘッドが手の動きを追い越して上がっていく感覚が出てきたら、グリップを戻して、同じ感覚でボールを打ってください。
ヘッドが先、手が後。この順番が掴めると、フェース面の向きも自然と揃ってきます。
ワースト2位|下半身がスウェーする
右にずれた反動で左にずれてフェースが開く
下半身が右にずれてしまう、スウェーの動き。
右にずれた反動で、ダウンでは左にずれます。この状態でインパクトを迎えるとフェースが大きく開いてスライス。逆に右にずれたまま振ると、インサイドからクラブが入りすぎて、左への大きなフックが出ます。
コマの軸が傾くと、回転が乱れて止まります。スイングも同じ。下半身の軸がずれた瞬間、回転の精度が落ちて、クラブの軌道は安定しません。
練習場では後方からしか動画が撮れないので、スウェーが起きていても気づきにくいんです。一度、正面から自分のスイングを撮ってみてください。スウェーは正面の方が圧倒的に分かりやすい。
股関節の位置を勘違いしている人が多い
スウェーを直すには、股関節を使って回転する必要があります。ところが、股関節の位置を勘違いされている方が本当に多い。
多くの方が「ここが股関節」と思って手を当てる場所は、骨盤の横、ベルトのすぐ下あたり。実はそこではありません。
股関節の本当の位置は、太腰の付け根の真ん中、その奥です。
動かす場所のイメージがズれていると、実際のスイングでもズれます。脳が認識した位置で動かそうとするからです。
仙骨をターゲット方向に向ける感覚で回転
もう1つ意識してほしいのが、仙骨という骨です。
仙骨はお尻の上あたりにある、手のひらサイズの骨。バックスイングでは、この仙骨をターゲット方向に向けるように動かします。
仙骨がターゲット方向を向かずに横にズレると、それがそのままスウェーになる。
まずクラブなしで、仙骨と股関節(太腰の付け根の奥)に手を当ててください。仙骨をターゲット方向に向けながら、股関節がその場で回転してくる感覚を確認します。下半身の正しい使い方は別記事でも詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。
クラブを持っても同じ感覚で動けば、スウェーは消えます。
ワースト1位|腕でクラブを持ち上げる
70台で安定して回れている人以外、全員当てはまる
第1位の腕主導。これは、70台で安定して回れているゴルファー以外、全員当てはまると思ってください。
腕でクラブを動かすと、フェース面が自由に開いたり閉じたりします。クラブ軌道も自由に変わる。「自由に動かせる」というと聞こえはいいですが、ゴルフでは「自由=再現性ゼロ」です。
体の回転で振ると、フェースが戻る位置は構造的に決まっています。タイミングに依存しません。これが、再現性の高いスイングの正体です。
クラブが軽すぎて腕で振れてしまう構造的問題
「頭では分かっていても、腕でやってしまう」という方も多いです。これは性格の問題ではありません。
クラブが軽いから、腕で振れてしまう。それだけです。
もしクラブが100kgあったら、絶対に腕だけでは振れません。体を使うしかなくなる。でも、実際にそんな重いクラブを使ったらヘッドスピードは出せず、飛距離は落ちます。
解決策は、軽いクラブを「重いものを振るように」振れるようになること。バーベルを上げるときに腕だけで持ち上げる人はいません。体全体を連動させて持ち上げる。あの感覚を、軽いクラブでも作れるかどうかです。
改善ドリル:軽いものを全力で振ってからクラブに持ち替える
体の感覚を一発で変えるドリルです。
- アライメントスティック(または棒状のもの)を全力で5回スイング
- すぐにクラブに持ち替えて、素振りする
- クラブが「重く」感じる感覚で、ボールを打つ
アライメントスティックがない方は、クラブのヘッド側を持って素振りしてもOK。要は「より軽いもの」を全力で振ったあとに、本番のクラブを振ればいいんです。
持ち替えた瞬間、いつものクラブが別物に感じます。腕だけでは振れない重さに変わる。だから自然と、体の回転で振らざるを得なくなります。
僕も腕打ち500球で練習してた頃の話
偊そうに書いていますが、僕自身、20代の頃は完全に腕打ちでした。
練習場で500球打っても平気だったんです。体力があったから、腕で振れちゃう。タイミングが合った日は真っすぐ飛ぶけど、次の日にはまたスライスが出る。再現性ゼロでした。
ボディターンに切り替えてからは、正直きつくなりました。100球でも体にくる。でも、曲がり幅が驚くほど安定したんです。
「再現性を取るか、その日の調子に頼るか」。OBを止めたいなら、答えはシンプルです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 5つ全部当てはまります。どこから直せばいい?
素晴らしい気づきです。全部当てはまることに気づけている時点で、もう半分解決しています。
順番は、5位の「頭ぶれ」から。表面的な症状から潰すと、根っこの「腕主導」が見えてきます。逆に1位の腕主導から手をつけると、ほかの問題と絡まって時間がかかる。同じ「症状から原因へ」の考え方で、アイアンのダフリは3つのメカニズムから整理した記事で原因を切り分けられます。
1日に1つだけ意識する練習がオススメです。複数を同時に直そうとすると、頭がパンクします。
Q2. バックスイング改善に何球くらいかかる?
個人差はありますが、1つのムーブを直すのに、平均で200~300球の素振り+実打が目安です。
大事なのは球数より「動画で確認する習慣」。1球ごとに自分のスイングを動画で確認しながら打つと、感覚と実際のズレが分かります。感覚だけで打っていると、何球打っても変わりません。
Q3. 自分のスイングを撮るときの角度は?
後方(ターゲットラインの後ろ)と正面の2方向で撮るのが基本です。
後方は軌道や手の通り道、正面はスウェーや前傾の崩れを確認するのに使います。練習場のマットの近くにスマホスタンドを置けば、安定して撮れます。
1ラウンド分の打ちっぱなしで、後方20球+正面20球くらい撮れば、自分の癖がはっきり見えてきます。
まとめ|OBが消えるのはバックスイングを直したとき
最後に、ワースト5を振り返ります。
- 第5位:頭がぶれる → 肩を背骨に直角に回す
- 第4位:前傾角度が起き上がる → 切り返しを脇腹で作る
- 第3位:手首が曲がるタイミングが遅い → 親指と人差し指でつまむドリル(ネック寄りに当たって右にすっぽ抜ける方はネック当たりの原因記事もあわせて)
- 第2位:下半身がスウェー → 仙骨をターゲット方向に向ける
- 第1位:腕でクラブを持ち上げる → 軽いもので5回振ってからクラブを振る
OBは、ダウンスイングをいくらいじっても根本的には消えません。原因はほぼ100%バックスイングにあります。スコアを動かす数字側の指標が気になる方は100切りに必要な5つの数字もあわせてチェックしてみてください。
5位から順番に潰していけば、自分のスイングのどこに問題があるかが見えてきます。1日1つでいいので、意識する場所を1つに絞って練習してみてください。スイング軸を安定させる練習と組み合わせると、改善スピードが一気に上がります。
それでも「自分のスイングのどこが間違っているのか分からない」「動画で見ても判断できない」という方も多いです。OBの原因は人それぞれ違います。一人で悩み続けるよりも、自分のスイングを構造から見直すのが近道です。
クラブごとの練習ドリルや、バックスイングの土台を固める動きはゴルフクラブのトリセツ【練習ドリル大全】に体系的にまとめています。今日の5つを直すための地図として活用してみてください。
そのうえで、バックスイングを根本から見直したい方のために、ゴルフクラブの動かし方を体系的にまとめた40分の動画を用意しました。OBが消えるバックスイングの作り方を含めて、スコアに直結する5つの数字を動画でわかりやすく解説しています。
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