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ゴルフレッスン/クラブのパフォーマンスを引き出すスイング作り
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クラブの振り子に、タイミングを合わせる|練習場では打てるのにコースで崩れる本当の理由

2026 10/28
スイング基本
2026年9月8日 2026年10月28日
クラブをつまむように持って揺らすドリルの実演。曲がる原因はクラブの振り子に合わせる

練習場では、そこそこ打てている。

なのにコースに出ると、朝の1打目から違う人のスイングになる。

こういう相談を、オンラインレッスンでよくいただきます。

原因を形に探しにいく方が多いのですが、僕が最初に見るのはそこではありません。

見るのは、クラブと体のタイミングです。

目次

クラブは、動き出すと勝手に動きたがる

クラブは、ただの棒ではありません。

先端に重いヘッドがついていて、シャフトはしなります。

だから一度動き出すと、慣性で動き続けようとします。

止めようとしなければ、行って、戻ってくる。

要するに、クラブは振り子です。

そしてここが大事なところなのですが、その振り子に引っぱられて、体のほうも動かされます。

クラブが右に上がっていけば、体は右に捻られる。

クラブが戻ってくれば、体はそれについていく。

自分で全部やっているようで、実はクラブに動かされている部分がかなりあるんです。

振り子は、2つあります

スイングを研究している世界では、ゴルフスイングは長らく「2つの振り子」として扱われてきました。

1つ目が、首の付け根あたりを支点にした腕の振り子。

2つ目が、手首を支点にしたクラブの振り子です。

1つ目で作った動きが、2つ目に受け渡されてヘッドが走る。この受け渡しがうまくいったときに、いちばん速く振れるという考え方です。

振り子は2つある。1つ目は首の付け根あたりを支点にした腕の振り子、2つ目は手首を支点にしたクラブの振り子

難しく聞こえるかもしれませんが、レッスンの言葉にするとこうなります。

2つ目の振り子は、手首が動ける状態のときだけ生まれます。

逆に言えば、手首を固めた瞬間に消えます。

たとえば、ヘッドをボールにぶつけにいこうとする。

そうすると、まずグリップを強く握ります。

強く握った手首は、動けません。

すると何が起きるか。

腕とクラブが、1本の長い棒になります。

振り子が2つあったはずなのに、1つになってしまうんです。

厄介なのは、本人の感覚としては「今日はしっかり振れた」になることです。

でも1本の長い棒は、重くて、速く振れません。

しかも、2つ目の振り子が返ってくる勢いが、まるごと無くなっています。

だから、力を入れたぶんだけヘッドスピードが落ちる。

これが「力を入れているのに飛ばない」の正体です。

イメージとしては、トンカチで釘を打つときの手首です。

腕を固めたまま打ちにいく人は、まずいません。トンカチで物を叩くように、手首のスナップを効かせて、ヘッドの重さを落としています。

あの手首の使い方が、そのまま2つ目の振り子です。

逆に、腕とトンカチを1本の棒みたいに固めて打とうとしたら、同じようには打てないはずです。打てたとしても、ものすごく力が要ります。

クラブでも、起きていることは同じです。

多くの人は、クラブと喧嘩している

問題は、この振り子を無視して振ってしまうことです。

クラブがまだ上がりきっていないのに、体だけ先に切り返しにいく。

クラブが戻ろうとしているのに、手でもう一度引き下ろしにいく。

これ、クラブとやり合っている状態です。

クラブは動きたい方向があるのに、そこへ行かせてもらえない。

結果として、動きがばらつきます。

同じように振っているつもりなのに、当たりが日によって変わる。

練習場では合っていたのに、コースでは合わない。

しかもやっかいなことに、ずれた分は自分では気づきにくいです。

体は動いているし、振っている感覚もある。むしろ「今日はしっかり振れている」と感じることさえあります。

ただ、クラブの側から見ると、動きたい方向を毎回止められている。

止められたクラブは、当然ですが加速しません。

リズムは「3対1」で決まっている

ここで、面白い数字を1つ紹介させてください。

ツアープロのスイングを測っていくと、バックスイングにかかる時間と、ダウンスイングにかかる時間の比が、だいたい3対1に揃うことが知られています。

『Tour Tempo』という本でジョン・ノボセルが示したもので、時間にすると、バックスイングが約0.9秒、ダウンスイングが約0.3秒です。

リズムは3対1。バックスイング約0.9秒に対してダウンスイング約0.3秒

僕が面白いと思うのは、ここからです。

この比率は、速く振る選手でも、ゆっくり振る選手でも、ほとんど変わりません。

つまりテンポとは「速いか遅いか」ではなく、「比率が保たれているか」なんです。

そして3対1ということは、バックスイングにはダウンスイングの3倍の時間がかかっている。

言い換えると、時間をかけて作れるのはバックスイングだけ、ということです。

ダウンスイングの0.3秒で、クラブの通り道もフェースの向きも全部そろえるのは、正直きびしいです。僕もできません。

だから、バックスイングで決めておく。

振り子に合わせるというのは、この「決めておく」を体で覚えるやり方です。

「体が先」と「クラブに合わせる」は、矛盾しません

ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。

僕はいつも「動き出しは体が先、クラブは後」とお伝えしています。

一方でこの記事では「クラブの動きに合わせてください」と言っています。

逆のことを言っているように聞こえるかもしれません。

でも、この2つは層が違います。

「体が先」は、手と体の順番の話です。

手でクラブを持ち上げるのではなく、体が動いた結果としてクラブがついてくる。動き出しの一瞬の話です。

「クラブに合わせる」は、体とクラブのタイミングの話です。

一度動き出したあと、クラブには振り子の動きが生まれます。その行って戻ってくるリズムに、自分の動きを乗せていく。

順番は体が先。リズムはクラブに合わせる。

順番の話は手ではなく体が先。リズムの話はクラブの揺れに合わせる

この2つが同時に成り立ったときが、タイミングが合っている状態です。

とくに切り返しは、自分でやろうとしないでください。

クラブが上がりきって、方向を変える。その結果として、体がついていく。

切り返しは「する」ものではなく、「される」ものだと思っていただくと近いです。

振り子に乗る感覚を、どう作るか

では、どう練習するか。

順番があります。

1. クラブをつまんで、体で揺らす

まず、体の前でクラブを軽くつまむように持ってください。

そこから、手ではなく体の動きで、左右に揺らしていきます。

このとき、自分で動かしているというより、クラブが勝手に揺れている。その感じが出てくれば近づいています。

ここでつまむように持っていただくのには、理由があります。

強く握るほど、クラブの重さを感じられなくなるからです。

握り込んだ手は、シャフトのしなりも、ヘッドの重さも、途中で受け止めてしまいます。

そうすると2つ目の振り子が生まれません。生まれていないものには、合わせようがありません。

僕がオンラインレッスンでお伝えしているグリップの圧力は、最大を100とすると20くらいです。

数字だけ聞くと頼りなく感じると思いますが、実際に揺らしてみると、そのくらい抜けているほうがクラブは動きます。

2. 揺れに、少しだけ加速を足す

揺れができてきたら、その揺れに合わせて少しだけ加速を加えます。

大事なのは、自分のタイミングで加速しないことです。

クラブが揺れている、その動きに体全体を合わせにいってください。

タイミングがずれると、揺れが途中で止まったり、つっかえたりします。

止まったら、それがずれた合図です。

3. 小さい揺れから、少しずつ大きくする

いきなり大きく振らないでください。

小さい揺れから始めて、少しずつ大きくしていきます。

ここを飛ばすと、大きく振った瞬間に自分のタイミングに戻ってしまいます。

4. 実際に握って、同じ揺れを再現する

ある程度大きくなってきたら、グリップを普通に握ってみてください。

そして、さっきと同じようにクラブの揺れに合わせて振ります。

握った瞬間に力が入って揺れが消えてしまう方が多いので、そこは注意して見てみてください。

5. フルスイングまで持っていく

最後は、そのままフルスイングまで大きくしていきます。

慣れてきたら、振り子の動きに自分の加速も足していきます。

クラブの動きを邪魔せずに、そこへ自分の力を乗せていくイメージです。

クラブの動きを邪魔せずに振れる感覚は、コースで「当てにいく」と途切れがちです。この記事の続きとして、コースで練習場通りに打つために大事なことを書きました。
→ コースで練習場通りのショットをするために大事なこと

よくつまずくところ

いちばん多いのは、揺らしているつもりで手だけを動かしてしまうことです。

手で揺らすと、体は止まったままになります。それだと振り子に乗る練習になりません。

もう一つは、アドレスから始めると再現できない、というものです。

これは自然なことで、ボールがあると自由に揺らせないからです。

その場合は、クラブを揺らしておいて、戻ってくるタイミングに合わせて動き出す、というやり方から入ってみてください。

慣れてくると、振り子が実際になくても、頭の中の振り子に合わせて動き出せるようになります。

コースで効いてくるのは、ここです

なぜこの練習をおすすめするのか。

コースでは、リズムがいちばん変わりやすいからです。

朝は急ぎます。前の組が詰まれば待たされます。池が見えれば手が止まります。

そのたびに、自分のタイミングは変わります。

でも、クラブの振り子は変わりません。長さも重さも、昨日と同じです。

つまり、自分の中に基準を持つのではなく、クラブに基準を置いておく。

そうすると、どんな場面でも同じところに戻ってこられます。

これは、緊張したときにいちばん効きます。

緊張すると、人は速く動きます。そして強く握ります。

自分の感覚を基準にしていると、その速くなった感覚のほうが「いつもどおり」に感じてしまう。

でもクラブの揺れは速くなりません。だから、合わせにいけば自然と元の速さに戻ります。

先ほどの3対1の話も、ここで効いてきます。

速く振ってもいいんです。比率さえ保たれていれば。

ラウンド前の練習場で、誰かにクラブを揺らしてもらって、それに合わせて振ってみる。

これだけでも、その日のリズムはずいぶん整います。

70台を目指して練習されている方には、とくに身につけていただきたい基本です。

形を整えることよりも、こちらのほうが先です。

まずは次の練習で、クラブをつまんで揺らすところから試してみてください。

自分が振っているのか、クラブに振らされているのか。

その違いが分かってくると、スイングは変わりはじめます。

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鳥居 俊佑
ゴルフコーチ
SNS総フォロワー10万人以上。現役ゴルフコーチ。
3,200名様以上のレッスン経験をもとに、「仕事もゴルフも極めたい!大人ゴルファーのためのゴルフ上達術」をテーマに指導しています。
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