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「夏はもう、スコアを捨ててます」
この時期になると、こういう声をよく聞きます。ゴルフの暑さ対策を調べても、出てくるのはグッズの一覧ばかりです。
暑いんだから仕方ない。後半バテるのは体力の問題。そう思っていませんか?
僕はゴルフ歴17年で、1,600ラウンド以上を回ってきました。真夏のラウンドも、数え切れないほど経験しています。
そのうえで言います。夏にスコアが崩れる原因は、体力ではありません。
もっと具体的で、もっと打つ手のある原因があります。
この記事では、まず夏のラウンド中に体とスイングに何が起きているのかを分解します。そのうえで、原因ごとに効く装備を15点。最後に、道具を1つも買わずに今日からできるラウンドの回し方までお伝えします。
夏にスコアが崩れるのは、体力が落ちるからではありません
「後半バテた」で片付けてしまうと、来年もまったく同じことが起きます。
暑い日のラウンドでは、あなたのスイングに3つの変化が起きています。順番に見ていきます。

① 汗でグリップが滑る。だから、握力が上がる
まず、手です。
汗をかくと、グローブとグリップの間が滑ります。滑ると、人は無意識に強く握ります。
これは反射なので、意識では止められません。「今日は柔らかく握ろう」と決めていても、滑った瞬間に手が勝手に締まります。
そして握力が上がると、腕と手首が固まります。
固まった腕は、クラブを走らせません。クラブが自分から動こうとする力を、自分の手で押さえ込んでしまうからです。
ホースの先を握りつぶすと、水の勢いが止まりますよね。あれと同じことが、グリップで起きています。
結果、いつもより手で振ることになります。飛距離はロスして、方向も安定しません。
夏になると急にドライバーが曲がり出す方がいます。スイングが変わったわけではないんです。握る強さだけが、勝手に変わっている。
② 体の回転が止まって、前傾が保てなくなる
次に、体です。
疲れてくると、真っ先に止まるのは回転です。腕は最後まで振れますが、体を回すのは面倒になる。
そして回転が止まると、前傾が起き上がります。
ここは勘違いされやすいところなのですが、前傾は姿勢を頑張って維持するものではありません。体の回転が止まらなければ、前傾は勝手に保たれます。
逆に言えば、回るのをやめた瞬間に前傾は崩れます。
夏の後半9ホールでトップやダフリが増えるのは、姿勢が悪くなったからではありません。回るのをやめているからです。
「後半は前傾をキープしよう」と意識しても直らないのは、そもそも直す場所が違うからなんですよね。
回転が止まると前傾が崩れる、という話はゴルフで「腰が回らない」は直さなくていい|回すべきは腰じゃない理由と正しい回転で詳しく書いています。
③ 判断が雑になって、番手選びでOBが増える
3つ目は、頭です。
暑さで消耗すると、考えるのが面倒になります。
「まあ、届くだろう」で番手を選ぶ。刻むべき池越えに、そのまま行ってしまう。
OBを打てば1打罰で、打ち直しです。ティーショットなら3打目からのスタートになります。
この1回で、その日のスコアは決まってしまいます。
暑さで崩れるのは、スイングだけではないんです。
暑さ対策は「涼しくなるため」ではなく「スイングを変えないため」にやる
ここが、この記事で一番お伝えしたいところです。
暑さ対策グッズを「快適に過ごすためのもの」だと思っていると、買う順番を間違えます。
僕らがやりたいのは、涼しくなることではありません。1番ホールと同じスイングを、18番まで持っていくことです。
そう考えると、優先順位はこうなります。
- 手を乾いた状態に保つ(グローブ)
- 首と体の中心を冷やす(携帯する冷却グッズ)
- カートに「冷やす基地」を作る(ハーフターンでリセット)
- 日差しを遮る(消耗を先回りで止める)
- 水分と塩分を切らさない(判断力を守る)
- 熱をためないウェアを着る

一番上がグローブなのは、そこがスイングに直結しているからです。
暑さ対策の記事は、たいていネッククーラーから始まります。でも僕の順番は、手からです。
ここから、対策ごとに具体的な装備を挙げていきます。価格と評価は2026年7月時点のものです。
【対策1】汗とグリップ|一番スコアに直結する
グローブは消耗品です。ここにお金をかけない方が、驚くほど多い。
でも夏に関して言えば、グローブ1枚でスイングが変わります。滑らなければ、握力は上がらないからです。
汗に強い全天候型グローブに替える
天然皮革のグローブは、手にはよく馴染みます。ただ、汗を吸うと一気に滑りやすくなります。
夏だけは、濡れた状態を前提に作られたものに替えてください。
ZEROFIT INSPIRAL GLOVE(1,980円前後・★4.81)は、濡れるほどグリップ力が上がるという発想で作られた1枚です。雨の日用として知られていますが、汗をかく夏こそ本領を発揮します。
もう少し価格を抑えたいなら、ブリヂストンゴルフ ソフトグリップ GL2404(1,000円前後・★4.57)です。全天候型で、この価格なら複数枚そろえられます。
グローブは必ず2枚以上、持っていく
これは道具を替えるより先に、今日からできることです。
1枚を18ホール使い切ると、後半はほぼ確実に滑ります。
だから2枚を交互に使ってください。9ホール終わったら替える。使わない方はカートで乾かしておく。それだけで、後半の握力が変わります。
正直に言うと、僕自身がこれに気づくまでにかなり時間がかかりました。夏場に後半だけスコアが崩れる理由を、長いあいだ体力のせいだと思っていたんです。
握力が上がって腕で振ってしまう状態そのものを直したい方は、【手打ち卒業】ボディターンスイング完全攻略|脇腹で振る6ステップもあわせて読んでみてください。
【対策2】首と体の中心を冷やす|携帯できるもの
体を冷やすなら、太い血管が通っている場所が効率的です。首、脇の下、脚のつけ根。
特に首は、プレー中でも手軽に冷やせます。
クールリング(ネッククーラー)
SUO RING(クールリング28℃)(2,750円前後・★4.48/レビュー2,600件超)は、28度以下で自然に凍るタイプです。冷凍庫がなくても、保冷剤と一緒にしておけば固まります。
電源も水も要りません。首にはめるだけです。
ただし、溶けると効果は止まります。だから後半用の予備を、後述するクーラーボックスに入れておくのがセットです。
氷のう(アイスバッグ)
茶店で氷をもらって詰めれば、その場で冷却装置になります。
飛衛門(TOBIEMON)氷のう(1,150円前後・★4.78)は軽くて畳めるので、キャディバッグに1つ入れておいても邪魔になりません。
首の後ろに数十秒当てるだけで、頭がはっきりします。判断力を守るという意味でも、効きます。
冷感タオル
水に濡らして振ると冷たくなるタイプです。瞬間冷却クールタオル(UPF50+)は1,490円前後・★4.44。
首に巻けば日焼け対策も兼ねます。1枚で2つの役割をこなすので、コスパは高いです。
【対策3】カートに「冷やす基地」を作る
ここが、この記事で一番おすすめしたい考え方です。
持ち歩けるものには限界があります。クールリングは溶けるし、氷のうの氷も1時間ももちません。
だから発想を変えます。持ち歩くのをやめて、カートに補給基地を置く。
ラウンド中、僕らは必ずカートに戻ります。ティーショットのあと、セカンドのあと、グリーンのあと。1ホールで何度も戻る。
その全部が、体をリセットするチャンスになります。
小型クーラーボックス
基地の本体です。カートに積むので、大きすぎないものを選んでください。
KS クーラーボックス 小型6L(2,680円前後・★4.81)は保冷剤付きで、この価格。1人分なら6Lで十分です。
同伴者の分も入れるなら、コールマン エクスカーションクーラー 16QT(4,290円前後・★4.71)くらいの容量があると安心です。保冷力が段違いなので、朝入れた氷が夕方まで残ります。
コールマン エクスカーションクーラー 16QT を楽天で見る
板状の強力保冷剤(氷点下パック)
基地の心臓部です。ここをケチると、昼には全部ぬるくなります。
ロゴス 倍速凍結・氷点下パック(1,570円前後・★4.74)は、氷点下まで下がる板状のハード保冷剤です。普通の保冷剤とは持続時間がまるで違います。
板状なので、クーラーボックスの底や側面に立てて使えます。中の温度が均一に下がるんです。
使い方のコツを1つ。前日の夜に必ず凍らせてください。この手の保冷剤は完全に凍るまで時間がかかります。当日の朝に冷凍庫へ入れても間に合いません。
冷却スプレー(2種類あります)
ここは混同されやすいので、分けて説明します。
1つ目が、服にかけるタイプです。ときわ商会 ひんやりシャツシャワー(880円前後・★4.80)が代表格。シャツの上からかけると、汗の気化と一緒にスッと熱が引きます。
ハーフターン後、1番ホールに向かう前にひと吹きしておくと、出だしの数ホールが楽になります。
2つ目が、コールドスプレーです。本来は打撲などを冷やすためのもので、瞬間的な冷たさは圧倒的です。
ただし、肌の同じ場所に近距離から吹き続けると凍傷のおそれがあります。必ず容器に書かれた距離と秒数を守ってください。服の上から短く、が基本です。
火気にも注意が必要です。カートの中に置きっぱなしにして、直射日光で高温になる状態も避けてください。
基地の中身は、この5つでそろいます
- 氷点下パック(前日に凍らせておく)
- 凍らせたペットボトル2本(溶けたら飲み水になります)
- 予備のクールリング
- 濡らして絞ったタオルを、ジッパー袋に入れて
- 予備のグローブ
これをカートに積んでおくだけで、ラウンドの後半が別物になります。

【対策4】日差しを遮る|消耗を先回りで止める
冷やすのは、熱くなった後の対処です。日差しを遮るのは、熱くなる前の対処。
どちらが楽かと言えば、後者です。
日傘(男性用の完全遮光タイプ)
ゴルフ場で日傘を差すことに、抵抗がある方もいると思います。
でも、ティーグラウンドで順番を待つ時間、グリーン上で同伴者を待つ時間。あの数分が積み重なって、後半の消耗になります。
Nakatani メンズ日傘(遮光率100%)は2,680円前後・★4.65。男性向けのシンプルな見た目で、雨傘としても使えます。
冷感アームカバー
半袖の上から着けるだけで、腕が直射日光から外れます。
メンズ冷感アームカバー2組セット(UPF50+)は1,490円前後・★4.66。2組あれば、汗をかいたら替えられます。
腕が焼けないと、ラウンド後の疲れ方も変わります。
【対策5】水分と塩分|後半の判断力を守る
喉が渇いてから飲むのでは、すでに遅いと言われます。
そして汗をかくと、水分と一緒に塩分も出ていきます。水だけを大量に飲んでも、体は戻りません。
大容量の保冷ボトル
茶店で買い足す前提だと、どうしても飲む量が足りなくなります。
サーモス 水筒 2L(FJQ-2000)は4,130円前後・★4.79。朝に氷を入れておけば、上がりのホールまで冷たいままです。
クーラーボックスに立てて入れておけば、なお持ちます。
塩分タブレット
ポケットに入れておいて、数ホールに1粒。それだけです。
カバヤ 塩分チャージタブレッツ(1,000円前後・★4.75)は味の種類が選べるので、飽きずに続きます。
持病がある方や、塩分を制限されている方は、かかりつけの医師に相談してから使ってください。
【対策6】ウェアで熱をためない
綿のシャツは汗を吸ったまま乾きません。濡れた布が肌に貼りつくと、熱がこもります。
インナーを1枚挟むだけで、これが変わります。
おたふく手袋 BODY TOUGHNESS 冷感ハイネックシャツ(1,250円前後・★4.46)は、作業現場で使われている定番です。日焼け対策と汗の処理を同時にこなします。
ゴルフ用として売られているものより、正直かなり安いです。
おたふく BODY TOUGHNESS 冷感ハイネック を楽天で見る
道具より先に効く「暑い日のラウンドの回し方」5つ
ここまで装備の話をしてきました。でも、お金をかけずに今日からできることの方が、実は効きます。
5つだけ挙げます。
1. 素振りは2回まで
暑い日の素振りは、ただの体力の消費です。
調子が悪いときほど素振りが増えますよね。でも、増やしたぶんだけ後半の球が悪くなります。
2回で打つ。これを決めておくだけで、18ホール分の体力が残ります。
2. 1番手上げて、8割で振る
夏は空気が薄く感じるほど暑くて、つい力みます。
だから最初から1番手上げてください。そして8割で振る。
フルスイングを18回やる人と、8割を18回やる人では、上がりの3ホールがまったく違います。
そもそも力いっぱい振っても飛ばないのはなぜか。理由は力いっぱい振っても飛ばない本当の理由にまとめてあります。
3. 前半で飛ばさない
朝は元気なので、つい振り回します。そして後半に何も残らない。
夏のラウンドは、後半勝負だと決めておいてください。
4. 待つときは、必ず日陰に入る
ティーグラウンドで自分の番を待つとき、無意識に日向に立っていませんか?
1ホールにつき数分。18ホールで1時間近くになります。
木の陰、カートの陰。立つ位置を先に決めるだけで、消耗の総量が変わります。
5. スコアを1回リセットする
これが一番大事かもしれません。
暑い日にスコアを追いかけると、無理な番手を選びます。そしてOBを打つ。
夏は「刻んでもいい日」だと最初に決めてしまう。それだけで、大叩きのホールが消えます。
夏ゴルフの持ち物チェックリスト
前日の夜に、これを見ながら準備してください。
- グローブ 2枚以上(全天候型)
- クールリング(+予備)
- 氷のう(空のままでOK。氷は現地で)
- 冷感タオル
- クーラーボックス
- 氷点下パック ※前日夜に冷凍庫へ
- 凍らせたペットボトル 2本
- ひんやりシャツシャワー
- 日傘
- アームカバー
- 保冷ボトル(氷入り)
- 塩分タブレット
- 冷感インナー
- 替えのシャツ(上がり用)
全部そろえる必要はありません。上から順に、できるところまでで大丈夫です。
よくある質問
Q. 全部そろえないと意味がないですか?
いえ、1つで十分効きます。
どれか1つだけ選ぶなら、グローブの2枚持ちです。お金もほとんどかかりませんし、スイングへの影響が一番大きいので。
Q. ファン付きの空調ウェアはゴルフで使えますか?
使っている方はいます。ただ、見た目や動作音を気にされるゴルフ場もあるようです。
それと、膨らんだ状態でスイングすると腕まわりの感覚が変わります。ラウンドで初めて着るのは避けて、練習場で一度試してからにしてください。
Q. 冷やすなら、首と手首のどちらが先ですか?
体全体を落ち着かせたいなら首です。太い血管が通っているので、体感の変化が早い。
ただ、スイングのことだけを考えるなら、冷やすより手を乾かす方が先です。滑らなければ、握力は上がりませんから。
まとめ|夏の18ホールを、同じスイングで回りきる
夏にスコアが崩れるのは、体力が落ちたからではありません。
汗で手が滑って握力が上がり、疲れて体の回転が止まり、暑さで判断が雑になる。この3つが積み重なった結果です。
逆に言えば、この3つを潰せば、夏でもスコアは守れます。
今日からできることを1つだけ選ぶなら、グローブをもう1枚だけ買ってきてください。次のラウンドで9ホール目に交換してみる。それだけで、後半の手応えが変わるはずです。
暑さは避けられません。でも、暑さでスイングまで変わってしまうかどうかは、準備で決まります。今年の暑さ対策は、グローブをもう1枚足すところから始めてみてください。
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